地域において担っている役割
千葉県がんセンターは、千葉県のがん領域における高度専門的な医療拠点である。大学病院や地域の中核病院等と役割分担しながら、圏域では対応できない医療の最後の砦としての役割を担うとともに、千葉県全域を対象とし、高度専門的見地から地域医療を支援している。
経営の健全性・効率性について
H26、H27に明らかになった医療事故の影響により、入院・外来ともに年延患者数が大幅に減少したため、経営の健全性・効率性に関する各種指標は悪化した。なお、⑥外来患者1人1日当たり収益と⑧材料費対医業収益比率に関しては、オプジーボといった高額医薬品の使用増により増加傾向にある。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率及び②機械備品減価償却率は上昇傾向にあり、施設を含む固定資産の老朽化が進んでいる。また、がん専門病院であることから高度医療機器を多く導入しているが、その影響により、③1床当たり有形固定資産は平均よりも高い傾向にある。
全体総括
千葉県がんセンターは、施設の老朽化が進んでいることや高齢化による患者需要増が見込まれることから、本棟の建て替え及びそれに伴う医療機器の更新を計画している。しかし、一方で年延患者数の減少により収支が悪化しており、厳しい経営状況にある。こうした状況を踏まえ、千葉県がんセンターは「千葉県立病院新改革プラン」に掲げた取り組みを着実に実施するとともに、医療の質の向上に向けて安全管理体制の強化を図ること等により、患者数の回復と収支の改善を目指している。