地域において担っている役割
地域の中核病院として急性期医療を中心に、救急医療、周産期医療、小児医療などの不採算医療分野も担っている。また、災害時には災害拠点病院として、患者の受入れ及び搬送、医療救護チームの派遣など救急救護活動を担っている。
経営の健全性・効率性について
①「経常収支比率」は100%をわずかに下回ったが、類似病院平均値は大きく上回り、概ね健全な水準にある。②「医業収支比率」は100%を上回り、健全な水準にある。③「累積欠損金比率」は累積欠損金がないため、0%となっている。④「病床利用率」は類似病院平均値を大きく上回っているが、目標値(85%)を大幅に下回った。⑤「入院患者1人1日当たり収益」、⑥「外来患者1人1日当たり収益」は共に前年より微少となったが、健全な水準にある。⑦「職員給与費対医業収益比率」は職員数の増及び給与の自然増により前年から増加しているが、類似病院平均値を下回っており、健全な水準にある。⑧「材料費対医業収益比率」は類似病院平均値を大幅に上回っているが、これは当院の院内処方率が高いことが要因だと思われる。
老朽化の状況について
①「有形固定資産減価償却率」は類似病院平均値を下回っている。これは機能UPのため増改築を行ってきたためである。数値的には低い水準であるが、実際には資産の老朽化は進んでいるものと考えられる。②「機械備品減価償却率」は類似病院平均値を大幅に上回っているが、多くの高額医療機器の入替を予定しているため、今後は減少傾向になると考えられる。③「1床当たり有形固定資産」は類似病院平均値及び前年の数値を上回っているが、これはPET/CTの導入と、それに伴う改修工事、病床の3床削減が要因と考えられる。
全体総括
ここ数年は目標としている経常収支比率100%以上を継続していたが、H28年度は診療報酬改定の影響と入院患者の減少によりわずかに叶わなかった。高齢化社会の進展と人口減少及び今後の診療報酬改定が病院の経営しうることから、これらの状況を鑑みて、七日市病院と一体として運営していく中で、病院機能、ベッドコントロール及び病床数などの運営方針を早めに決定する必要があると考えられる。