地域において担っている役割
地域中核病院として質の高い効率的な医療の提供を行う。地域の救急・小児・周産期医療を担い、災害・感染症対策の基幹病院として、地域完結型の医療を提供するため、地域医療機関等と連携し、急性期から慢性期、在宅までの医療・介護を提供する。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率、医業収支比率が100%を超えている。累積欠損金比率も該当数値がなく、病床利用率、患者1人1日当り収益、職員給与費対医業収益比率についても平均値に対して高水準にあり、効率的で健全な経営と考えられる。今後は、消費税増税等により厳しい経営が想定されるが、平均在院日数の短縮等による診療単価の増、材料費等の削減による費用の減により、さらに効率的で健全な病院運営を目指す。
老朽化の状況について
入院棟の老朽化に伴い有形固定資産減価償却率が高い数値となっており、離れた場所に附属外来センターを建設したため、1床当たりの有形固定資産が高い。平成28年度までは、入院と救急外来に特化した病院と高機能外来、健診、訪問看護を有する附属外来センターに分かれていたが、1.5㎞離れていることで運営面での非効率が顕在化したため、附属外来センターの敷地内に入院棟を建設し、平成29年11月に入院機能と外来機能の統合を行った。今後は、新入院棟建設により有形固定資産減価償却率は低下するが、1床当たりの有形固定資産については、さらに高い数値となる。
全体総括
平成28年度は、老朽化が進んでいるが、効率的で健全な病院運営ができていると考えられる。今後は、外来機能と入院機能の統合を行うことにより、さらに効率的な病院運営を行う。外来では救急医療体制の強化、入院では急性期医療に特化しつつ、回復期リハビリテーション病棟の設置及び地域包括ケア病棟の充実により在宅復帰に向けての診療を行うことで機能の分化・強化を図る。さらに地域医療構想を踏まえた役割の明確化を行い、訪問看護ステーション、介護老人保健施設の活用、行政機関や地域医療機関との連携を強化することで、地域包括ケアシステムの体制を構築していく。