藤岡市：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

収益的収支比率は直近値では、100％を割り込んでおり、経常費用が経常収益を超えている状況を表している。Ｈ26においては、類似団体平均を僅かに下回り直近3年では悪化の傾向にある。企業債残高対給水収益比率については、類似団体平均を下回っており、事業規模に対し地方債残高が少ない事を表している。近年においては、主に老朽化した水道管路の更新を目的として起債を行っている。料金回収率については、類似団体平均値と同水準であるが、30％台となっており、水道水を供給するための費用を水道料金で賄いきれていない事を表しており、現状では一般会計からの繰入金に頼る状況にある。給水原価は供給できた水道水1㎥あたりに投入された費用を表しており、類似団体平均値よりも安価な値となっているが、上水道と比較すると約3倍の値となっている。施設利用率については、類似団体平均値と大きな乖離はないが、効率性の観点からの簡易水道の統合などについては、所在場所、水源、必要とされる費用など考慮すると困難な環境にある。有収率については、Ｈ26については類似団体平均値と同水準となっているが、老朽管の更新による漏水の防止など、改善の余地があるものと考えられる。

老朽化の状況について

管路更新率については、類似団体平均値を上回る水準となっているが、民地へ布設された、老朽化した管路の公道への布設替など、漏水などの維持管理面からも、更なる管路更新が求められている状況にある。

全体総括

簡易水道事業は、非常に厳しい経営環境に置かれている。給水人口が少なく、設備の維持修繕などの固定費が分散できず、給水原価が高額となる事で、料金回収率が低く、水道料金以外の収入に財源を求める必要がある。現状では、一般会計からの繰入金を受けることで、事業運営を行っている状況にあり、簡易水道事業においては、福祉施策的側面を有している。また、藤岡市では市営簡易水道は7ケ所であるが、旧藤岡地区及び旧鬼石地区の山間部に小規模の簡易水道が個々に点在しており、効率性を求める簡易水道の統合については、地理的な課題と必要とされる費用を考慮すると効果を生み出す事は難しく、同様に上水道への統合も困難な環境下にある。今後も限られた財源の中で事業運営を行っていく必要があり、設備更新の優先順位や収益に結び付く効率性が必要とされる。