地域において担っている役割
当院は北村山地域唯一の急性期医療を担う基幹病院であり、365日24時間体制で救急医療への対応を行っています。当院の特色でもある人工透析や温泉を活用したリハビリテーション医療等の機能を強化しながら、急性期医療と回復期医療の充実を図っています。
経営の健全性・効率性について
医師・看護師不足の影響が大きく、患者数が減少し、病床利用率(④)が低下しています。また、平成26年度の会計制度改正による引当金計上や同年度の消費税率引上げによる費用増もあり、経常(①)及び医業(②)収支比率が100%を下回る状況が続き、累積欠損金比率(③)が増加しています。一方、入院(⑤)及び外来(⑥)患者1人1日当たり収益は、類似病院平均に比べれば地域性の問題もあり少ないものの、収益性の向上に努めており、増加傾向にあります。平成29年度は、前年度と比べ患者数が減少したものの、収益では⑤で手術料収入の増等があり、また、当病院組合を構成する三市一町からの繰入金も増加したたため増収になりました。一方で費用においても職員の減等による給与費の減少等により、①、②、⑦で改善しております。
老朽化の状況について
東棟が築45年、西棟が築27年を経過しており、特に東棟の老朽化が著しい状況です。有形固定資産減価償却率(①)が類似病院を大きく上回っていることからも見て取れます。器械備品減価償却率(②)においても、高額な備品(電子カルテ)の更新により平成27年度以降は類似病院を下回ったものの、依然として高い傾向にあり、老朽化が進んでいます。
全体総括
当院独自の中期財政計画に基づいた他会計負担金の繰入を行いながら、最重要課題として医師・看護師等医療スタッフの確保に努め、患者数の増加、更には収益の増加を図ります。また、平成30年度から始まる外来エリア改修工事等老朽化が著しい施設の整備や医療機器等の設備整備を計画的に行い、老朽化が診療に支障を及ぼすことのないよう努めます。今後も、地域住民が求める医療を安定的に継続して提供していけるよう、新改革プランを反映させた中期財政計画をローリングによる見直しを行いながら、健全経営に努めます。