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前年度から同ポイントとなっているものの,単年度での分子となる基準財政収入額,分母となる基準財政需要額の増額傾向は継続している。基準財政需要額は,主に合併特例債及び臨時財政対策債の償還費,高齢者保健福祉費等において増加し,基準財政収入額は,償却資産に係る固定資産税が太陽光発電設備の新設等を背景に増加している。
前年度から2.8ポイント上昇している。この要因として,歳入面では市町村民税が減額したものの,普通交付税がそれを上回る増額となり,経常一財が増額となっているが,歳出面の補助費等で大崎広域行政事務組合の消防庁舎やリサイクルセンターの建設事業が終了し,経常一般財源に対する負担割合が増加したこと等で経常一財が増加し,経常収支比率の上昇の要因となった。
前年度比約13%の増加となっている。人件費に関しては,昨年度に比べ減額している。要因としては,定員適正化計画のもと職員採用を行っているものの,退職者が多く,新採職員を補充したことで職員年齢の若返りが進み,給与格差分が減額に影響したものと考えられる。一方,物件費に関しては,東日本台風に伴う災害廃棄物の運搬・処理や被災家屋の解体など災害対応に係る経費が多額に上ったため増加する大きな要因となり,全体として前年度よりも増となった。
前年度と比較し0.1ポイント上昇したが,各部における各課業務の調整や取りまとめなど部の総括を行う所属長については参事職に整理したことが主な要因となっている。依然,類似団体内平均を0.3ポイント,全国市平均を1.2ポイント下回っているが,今後も国の制度に準拠することを基本としながら,より一層の給与の適正化に努める。
合併以降,集中改革プランと連動した定員適正化計画のもとで,一貫して職員の削減を行ってきたことから,平成27年4月1日には定員適正化計画の目標値(合併時から400人削減)を達成した。現在は,効率的で質の高い行政運営を実現するために,行政需要の変化や地域特性などに配慮した新たな定員管理計画に基づき,職員採用・人員配置を実施し,職員人件費の動向に配慮しつつ,組織運営の安定に努めている。前年度から0.15人増加したものの,全国及び県平均を下回る状況には変わりなく,今後も適正な定員管理に努める。
前年度から0.4ポイント改善し,類似団体平均を下回る結果となった。公営企業債の元利償還金に対する繰入金や元利償還金の減により,元利償還金等の総額としては前年度より減となった。また,元利償還金及び準元利償還金に係る基準財政需要額が増となったことで数値が改善した。今後も大規模建設事業を控えており公債費の増加は見込まれるものの,交付税算入率の高い地方債発行により急激な上昇は抑えられるが,適正な事業実施を図り,健全な財政運営に努める必要がある。
前年度から3.7ポイント悪化したものの,類似団体平均は下回る結果となった。悪化の主な要因は,将来負担に対する充当可能財源の減少である。過疎対策事業債や防災・減災・国土強靭化緊急対策事業債等の発行による基準財政需要額算入見込額の増加があったものの,財政調整基金残高の大幅な減少などによる充当可能基金の減少が大きく影響した。地方債現在高が増加している中,今後も大規模建設事業を控えていることから,事業の適正実施を図り,健全な財政運営に努める必要がある。
前年度から0.1ポイント減少し,類似団体の平均値を下回る結果となっている。減少要因としては,定員適正化計画のもと職員採用を行っているものの,退職者が多く,新採職員を補充したことで職員年齢の若返りが進み,給与格差分が減額に影響したものと考えられる。
前年度から0.5ポイント減少し,類似団体の平均値を下回る結果となっている。東日本台風に伴う災害廃棄物の運搬・処理や被災家屋の解体など災害対応に係る臨時的な経費が上昇したことにより,相対的に経常的な経費の減少につながったことが要因となっている。
前年度から0.7ポイント上昇したが,類似団体の平均値を下回る結果となっている。上昇の要因としては,子どもや高齢者に対する医療扶助・給付型の扶助費が増加したことがあげられる。社会保障関連経費は,景気状況や雇用環境に大きく左右されるため,市単独の取り組みだけでは改善が難しい状況にある。
前年度から0.3ポイント減少したが,類似団体の平均値を上回る結果となっている。維持補修費において,東日本台風に伴う施設等の臨時的な修繕経費が大きくなったことにより,相対的に経常的な修繕費が減少することとなった。
前年度から2.5ポイント増加し,類似団体の平均値を上回る結果となっている。大崎地域広域行政事務組合負担金のうち,臨時経費となるリサイクルセンターや消防庁舎建設に係る負担金が大きく減少したことにより,相対的に経常経費負担が増加したことによる。
前年度から0.5ポイント上昇し,類似団体の平均値を若干下回る結果となっている。上昇の要因としては,平成28年度に借り入れている図書館周辺等整備などの大型建設事業の合併特例事業債の元金償還がはじまったことで,公債費が微増につながったもの。今後も地方債を財源とした大規模建設事業が控えていることから,必要に応じて,高利債の繰り上げ償還を進めるなど,公債費の抑制に努めていく必要がある。
前年度から2.3ポイント上昇し,類似団体の平均値を上回る結果となった。性質別に前年度と比較すると,人件費や物件費でやや改善傾向となったものの,扶助費,補助費等,経常支出が増加している。扶助費では児童保育運営委託料増加,補助費等では,大崎地域広域行政事務組合に対する経常的な負担金がするなどの理由から経常収支比率の上昇につながったといえる。
(増減理由)財政調整基金に関しては,例年,決算剰余金の一部を財政調整基金に積み立てるものの,市役所周辺整備事業や本庁舎,鳴子総合支所の建て替え事業等,総合計画や新市建設計画を実施するため例年多額の取崩しが必要となっている。平成27年度以降,取崩額は年々増加の一途をたどっており,中・長期の財政計画において,基金残高の推移は,今後3年~5年で,現在の90億円台から30億円台まで減少する見込みとなっている。普通交付税の逓減と大型事業の実施に伴う一般財源の投入が基金残高の減少に繋がっている。その他,特目基金は,施設の維持管理を目的といるものが多く,概ね残高は減少傾向にある。(今後の方針)財政調整基金については,基金残高の必要額を30億円台と考えていることから,しっかりとした行財政改革のもと,歳出予算の適正化を図りながら,基金残高の確保に努める。その他特定目的基金については,全体的に減少傾向にある。設置目的と基金残高の推移を考慮し,適正に管理する。
(増減理由)平成30年度末残高12,431,283千円に対して,決算剰余積立800,000千円と令和元年度中の積立等18,704千円を基金に積み立てたものの,一方で,3,400,309千円の繰り入れ(取崩し)を実施した結果,令和元年度末残高として9,850,076千円(-2,581,207千円)となった。普通交付税の合併算定替による特例措置の適用期限終了に合わせ,東日本大震災後の復旧・復興事業の終了に伴い,総合計画,新市建設計画事業を確実に実行するための大型事業と,東日本台風への対応経費が大きかったことから,財政調整基金からの繰入額が増大している。(今後の方針)今後,3年~5年後には財政調整基金残高が30億円台になる見込みである。行政運営を推進するためには,財政調整基金からの繰り入れは避けられないが,歳出予算規模の適正化を図るなど,適切な財政運営に努め,急激な基金残高の減少とならないように努める。
(増減理由)減債基金に関しては,積立によって微増している。(448,022千円(+11,406千円))(今後の方針)公債費の推移に留意しながら,適切に管理していく。
(基金の使途)地域自治組織支援基金:持続的で活力ある地域の醸成をめざし,地域自治組織の育成と活動を支援し,市民協働のまちづくりを推進する。地域自治組織への安定的な財政支援を行うための果実運用型基金である。まちづくり基金:住みよい豊かなまちづくりを推進する。主に,ふるさと納税や指定寄附を積み立てている。災害公営住宅維持管理基金:災害公営住宅として建設された市営住宅及び共同施設の整備,修繕及び改良並びに地方債の償還に要する経費に充当する。(増減理由)地域自治組織支援基金:市内7地域にある地域自治組織に対する活動支援や施設改修(集会所等)に伴う事業補助金の財源として活用している。年間1億円を超える補助金を支出しているが運用益がそれ程多く見込めないため減少傾向にある。まちづくり基金:ふるさと納税や指定寄附は一時的に基金に積み立てるものの,翌年には寄付者の意向を踏まえ事業充当を行っている。各年度の寄付額により年度末の残高に大きく影響している。災害公営住宅維持管理基金:家賃の低廉・低減化を踏まえ,震災復興交付金を財源に基金に積み立てているが,大きな費用負担がないため増加している。(今後の方針)地域自治組織支援基金:安定的な財政支援を行うため,預金利子のみならず,有価証券の購入等,より効果的な果実運用を実施する。災害公営住宅維持管理基金:令和2年度の震災復興交付金の制度が終了するまでは基金への積立を行い,その後,整備,修繕,改良及び地方債償還費用に充当予定。
債務償還比率は県平均よりは低いものの,全国平均より高い水準である。算定上の分子となる金額は,財政調整基金の取り崩し額が多額になり,特定目的基金が減少したことにより増加した。また,普通交付税の逓減措置に伴う普通交付税の減等,経常一般財源が減少した影響により分母は減となり,分子分母双方の影響で前年度より悪化している。今後,財政調整基金の減少,維持補修費等の増加が見込まれることから,抜本的な歳出抑制が必要となっている。
該当なし
実質公債費比率,将来負担比率ともに類似団体平均値を下回っている。将来負担比率については,本市が活用している旧合併特例事業債や過疎対策事業債が元利償還後,普通交付税の基準財政需要額として償還額の7割が算入され後年度に財政措置されることから,地方債現在高は増加しているものの,伸びが比較的抑えられる結果となっている。しかしながら,旧合併特例事業債には発行限度があり,庁舎建設等の重点事業に充当する予定となっていることから,今後,指数の悪化を抑制するための抜本的な普通建設事業の見直し,地方債借入の抑制が必要となっている。
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