経営の健全性・効率性について
概ね94%だった収益的収支比率が平成26年度に89%に下がっているのは、総収益の減(繰入金の減)によるものである。経費回収率は80%前後を推移しており、70%を切っている類似団体の平均値よりは上回っている。また、企業債残高対事業規模比率は類似団体の平均値よりは下回っている。企業債現在高自体は減少してきているが、平成26年度は公費負担割合が小さくなったため、減少していた企業債残高対事業規模比率自体は、増に転じている。汚水処理原価については、類似団体の平均値よりは高くなっている。平成26年度に上昇しているのは、類似団体の傾向と同様であり、消費税率の増が一因であると推察される。現段階では平成30年度までに現在の面整備計画を見直す予定であり、今後は工事の規模も縮小される。一方、水洗化率は93%程度であり、類似団体の84%程度よりも高くなっているが、残りの工事で接続する人口があまり多くはないので、全般的に人口が減少している傾向の中で、使用料収入の増加はあまり期待できない。なお、施設利用率については、流域下水道に接続しており、市単独では終末処理場を有していないため、当該値がない。以上のことから、今後は平成32年4月の公営企業会計適用化開始に向けて準備していく中で、より適切な使用料の設定も念頭に入れて、経営の健全化を図っていく必要がある。
老朽化の状況について
供用開始が平成2年12月であり、現在のところ耐用年数は経過していないことから管渠の更新・修繕は発生しておらず、管渠改善率については該当値がない。今後は公営企業会計適用化を推進していく中で、管渠の状態を把握し、長寿命化施策へとつなげていきたい。
全体総括
現段階では、平成30年度までに現在の面整備計画を見直す予定である。企業債現在高自体は減少してきているが、企業債の償還費用を踏まえると今後も一般会計からの繰入金はある程度必要である。今後、平成32年4月の公営企業会計適用化開始に向けて準備していく中で、より適切な使用料の設定も念頭に入れて、経営の健全性を確保する必要がある。