経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率は総収益に対し地方債償還金が同額程度あるため厳しい状態であるが、今後、地方債償還額の減少とともに好転すると予測される。④企業債残高対事業規模比率は本地域が中山間地域のため処理人口規模の割に下水道管渠建設に多額の費用がかかったことにより地方債借入額が膨らんだため高比率になったと考えられる。⑤経費回収率は汚水処理費の内訳である資本費の汚水処理費が7割を占め、その額は使用料より高いため30%の結果となった。維持管理費は使用料で十分まかなえている。昨年度から数値が下がったのは汚水処理費の内訳変更による。⑥汚水処理原価のうち維持管理分と資本分の割合は1:3と資本分の割合が大きい。昨年度から数値が上がったのは汚水処理費の内訳変更による。⑦施設利用率は処理能力に対し平均6割程度の流入で余裕がある。これは少子高齢化による人口減少やエコ意識の高まり、節水型商品の普及による水道の使用量減少によるところが大きい。今後は小規模処理施設の統合を行い経営改善を進めたい。⑧水洗化率は現在96%と高い水洗化率となっている。これ以上の向上は難しいが、経営改善のため水洗化率向上に努力したい。
老朽化の状況について
管渠は最も古いもので建設から20年経過程度で老朽化の問題はないが、今後の改築更新に向けた財政的対策が必要である。
全体総括
本事業は処理区域が中山間地域にあるため処理人口の割に整備管渠延長が長くなっている。このため管渠整備費が高額となり、建設当時に借り入れた地方債の償還が今なお経営を大きく圧迫しており、今後も10年間はその状態が続く。今後は処理能力に余裕があることから、小規模施設との統廃合を図り経営改善を進めることが重要である。