地域において担っている役割
周産期・小児医療のセンター機能、総合周産期母子医療センター、小児救命救急センター、小児がん連携病院、臨床研修指定病院、治験拠点医療機関、日本医療機能評価機構認定病院、WHO指定研究協力センター、二次救急告示医療機関
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率:新型コロナ関連の補助金により補助金収入が増加し、前年度を1.4ポイント上回った。②医業収支比率:新型コロナへの対応として一定期間手術制限を行ったことにより小児患者数が減少した一方で、分娩件数が堅調に増加した結果、前年度0.2ポイントの減少にとどまった。③累積欠損比率:発生していない。④病床利用率:新型コロナへの対応として一定期間手術制限や医療評価入院の中断により前年度を6.4ポイント下回ったが、類似病院と比べると高い水準を維持している。⑤1人1日あたり収益:脊髄性筋萎縮症に対する超高額薬剤を用いた治療を行ったことなどにより、前年度を約5,500円上回った。⑥外来患者1人1日あたり収益:在宅医療で使用する高額薬剤の使用量増加等に伴い前年度より増加し、類似病院と比べても高い水準を維持している。⑦職員給与費対医業収益比率:前年度とほぼ同値となり、小児専門病院としては低い水準を維持している。⑧材料費対医業収益比率:手術に要する材料が減少した一方で、超高額薬剤の使用や、ゴーグル・手袋など感染防止に必要な材料の購入金額が増加したことにより前年度と同値となった。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率:センター開設から40年を迎えたところであり、必要な改修工事を計画的に実施しているが、類似病院を上回っている。②器械備品原価償却率:計画的に設備投資しているが、類似病院の平均値を上回っている。③1床当たり有形固定資産:新生児集中治療室(NICU)や小児集中治療室(PICU)等の高度な生命維持管理を要する患者を受け入れる病床を設置していることや、平成26年の新手術棟のオープンに伴い医療機器の更新を重点的に行ったことにより、類似病院を上回っている。
全体総括
令和2年度は新型コロナによる影響が大きく、手術制限を行ったことにより主に小児患者が減少した。一方で、少子化による出生数の減少の中にあっても、産科の広報を積極的に実施したことなどにより分娩件数は堅調に増加した。そのため、コロナ禍の中にあっても医業収支比率は令和元年度をわずかに下回る結果にとどまり、類似病院と比較しても、経営指標は堅調に推移している。大阪府における周産期・小児医療の基幹施設として、引き続き高度で専門的な医療を中心とした幅広い診療を提供するため、施設の更新・整備を計画的に推進していく必要があり、引き続き経営の健全化、効率化に向けた取組みを推進していく。