小山町：公共下水道

経営の健全性・効率性について

汚水処理費に対する一般会計繰入金の繰入基準に従って、一般会計繰入金の大部分を収益的収入として計上することとなったため、①収益的収支比率が100％を超える水準となっていました。令和２年度から地方公営企業法適用に要する経費が生じたことにより（令和４年度まで）、100％を下回りました。また、⑤経費回収率が100％に満たない状況が続いているため、繰入基準外の繰入金に頼っている状況です。使用料単価も適正な単価とされている150円を下回っていることから、適正な料金設定を検討していきます。地方債元金償還金相当分は一般会計繰入金で賄うこととしているため、④企業債残高対事業規模比率は０％（※）になります。下水道整備区域内の多くの方々に接続していただいているため、⑧水洗化率は類似団体平均を大きく上回っていますが、⑦施設利用率が類似団体より低い値が続いています。想定していた計画人口と比較し処理区域内人口が及ばない中、現在の処理能力の一部は、不測の事態におけるバックアップ的なものと捉えていますが、今後処理場設備の更新に合わせたダウンサイジングの検討や、広域化・共同化の観点からし尿の受入等施設の有効利用を図る方策を県や周辺事業体とともに検討します。（※）一般会計負担分を除くと事業債残高692,810千円÷営業収益71,096千円×100＝974.47％になります。

老朽化の状況について

本町下水道事業は、平成11年度より供用開始しています。下水道事業における管渠の標準耐用年数は50年とされており（国土交通省通知）、当面の間は耐用年数を経過する管渠はありません。今後は安全に運営していく上で必要な管路の点検調査を実施し、管路の状況を確認していきます。須走浄化センター及びマンホールポンプ等の施設については、ストックマネジメント計画を策定しています。下水道事業の安定な運営を維持するため、計画に沿って国庫補助金等財源を活用しながら施設の改修を行っていきます。

全体総括

今後も人口減少等による有収水量の減少や、汚水処理に関する経常経費の増加により、下水道事業の財政状況はますます悪化する見込みです。将来的に施設や管路の更新が本格化することに向け、企業会計を導入することで財務状況の見える化を図り、経費の見直しや事務事業の広域化・共同化等による歳出抑制や、適正な料金設定による財源確保を検討し、長期的な財政の健全化を目指していきます。