経営の健全性・効率性について
平成27年度の①収益的収支比率は前年度87.96%から90.30%となり比率は上昇しているが、これは下水道使用料の収入が増えただけではなく、一般会計繰入金の収入が増え、地方債利息及び維持費の支出を賄っているためである。また、④地方債残高対事業規模比率では、借入を1億円程度に抑え、下水道整備していることに伴い、下水道接続率の増加による使用料収入が増加する一方で、償還を借入よりも多く実施しているため、地方債残高は減少している。【④企業債残高対象事業規模比率のH27数値に誤りがあり、本来の数値は1299.22となる。】⑤経費回収率や⑧水洗化率は、類似団体との平均を上回っているが、全国平均や100%を下回っており、一般会計繰入金の収入に頼っていることや、支出の面では既存下水道施設の管理や修繕に係る維持費の支出も依然として多く、下水道使用料のみでは賄えきれていないことから、引き続き水洗化人口の向上に努めることや、必要に応じて適正な使用料価格の検討が必要となる。また、下水道整備については、今後策定を予定している「御嵩町汚水処理施設整備構想(案)」に基づき、経済的かつ、効率的な整備を実施することが必要である。その一方で、本町の下水道については、木曽川右岸流域下水道に接続しているが、長寿命化対策の効果により不明水の減少に伴う有収水量の増加から、汚水処理に対するコストが削減されているため、引き続き長寿命化対策を実施し、汚水処理に係るコスト縮減に努める。
老朽化の状況について
御嵩町の下水道は平成3年度から整備され、供用開始は平成8年度から行っており、開発団地の汚水施設を接続した布設後40年を経過する一部施設については長寿命化対策事業による管渠更生を実施しています。また、下水道整備を完了後の維持管理主体の事業に備えるため、長寿命化対策の対象外である下水道施設についてはストックマネジメントの導入を検討し、施設の点検や評価、必要に応じて更新を行い、効率的に中長期の管理を行う必要がある。
全体総括
平成27年度は全体的に前年度と比較して数値は向上しているが、収入としては一般会計からの繰入に頼って運営をせざるを得ない状況である。今後も引き続き下水道整備を実施していく予定となっているため、健全な運営をしていくためには、継続して効率的な下水道整備を行うことや、使用料収入を増加させるため、下水道への接続率の向上を推進していく必要がある。また、平成31年4月に予定している公営企業会計へ移行後、財政シュミレーションによる現状分析を基に、下水道使用料価格の検討や一般会計の繰出基準の見直し、老朽化施設への対策については、下水道整備完了後の維持管理主体事業に備えるため、ストックマネジメント導入の検討が必要である。