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例年全国・県平均を下回り、類似団体平均とほぼ同じく低い水準で横ばい状態である。人口減少と高齢化の影響及び町税収入の核となる産業に乏しく、歳入の25.9%を地方交付税に依存しており、県内市町と比べて財政基盤が脆弱である。職員定数管理や、行政評価の導入による事務事業の見直しを行い歳出の削減を図っている。コロナ禍に伴う税収減の中、より一層収納率向上など財源の確保に努め、施設の新設・更新は総合管理計画により維持管理経費の適正化を考慮した投資額を決定するなど財政基盤の強化に努める。
各種計画に基づき財政健全化を図るため予算規模を大幅に縮小し、経常的な人件費や繰出金等を削減してきた結果、全国・県・類似団体内平均を大幅に下回っている。令和2年度は普通交付税の増加等により経常経費に充当する一般財源が増加したことで3.6p減少した。経常経費の増加要因は少子高齢化による扶助費及び水道事業会計を始めとする繰出金であり、また、これまで減少要因であった公債費が、庁舎建設事業による起債の発行に伴って増加する見込みである。一方、経常一般財源は減少していくことが予想され、経常収支比率は上昇する可能性がある。経常収支比率の抑制策として、今後は経常的な物件費の削減に一層努める。
令和元年度まで類似団体を下回ってきたが、令和2年度は全国・県平均を大幅に上回るほか、類似団体内平均を上回った。人件費については、令和2年度から会計年度任用職員制度導入などにより大幅に増加した一方、物件費は、業務委託や電算管理により委託料が増加している。基本的には、職員数の適正管理や効果的な業務委託により双方の削減に努める。
職員の給与水準は、類似団体平均値と比較をするとほぼ同等であるが、県内で比較してみると市町平均(99.3%)、町平均(97.8%)を下回り最低水準にある。職員の給与制度については、住民の理解と支持が得られる給与制度・運用・水準等の適正化が求められていることから、職務や能力、実績が反映できる人事評価制度を平成28年度から全職員対象に導入しており、今後もより一層の給与の適正化に努める。
ごみ収集や給食センタ-業務等民間委託を推進し、定員適正化計画に基づき組織機構の見直しや新規採用を抑制し職員数適正化に努めてきたものの、権限移譲等により事務量が増加し、また、人口減少の進行が顕著であるため、各平均水準まで職員数を削減することが困難な状況にある。今後も組織機構改革、事務事業の見直し、業務の外部委託及び民営化等を推進し、職員定員管理の適正化に努める。
元利償還金等の減と臨時財政対策債の占める割合の増により、比率は年々下がってきており、類似団体内で一番低く、県平均を1.3ポイント下回った。令和3年度着工の新庁舎建設による新規起債や、過疎対策事業債を積極的に活用していく考えであることから、今後公債費が一時的に増加する可能性があるが、特に公共施設の維持更新について、計画的に投資的事業を実施していき、借入と償還を適正に管理していく。
町債残高の減と充当可能基金の増により年々改善し、平成25年度から将来負担は発生していない。これは、元金償還のピークが過ぎ、町債残高がピーク時の平成16年度の76億8千万円から約38億9千万円に減少したことに起因している。依然として公営企業等債繰入見込額が高額である。今後も将来への負担はできるだけ残さないよう努めるが、一方で、庁舎建設をはじめとする公共施設の維持更新に費用がかかることが予想されるため、適正な基金の繰入れや地方交付税措置のある地方債の活用によりバランスを取っていく。
年々下降(改善)傾向にあったが、全国及び県平均より低いものの、令和元年度同様に類似団体平均を上回っている。休日勤務代休制度の継続や、新規職員採用の抑制による職員給与・職員数の減を実施してきているが、会計年度任用職員制度により人件費の増加は必至である。このような状況であるが、今後も引き続き人件費の適正化に努める。
業務委託や町有施設の老朽化による修繕費等の増加により、年々増加傾向にあるが、令和2年度は前年度比0.8p減少している。今後は、さらなる事務事業の改善を図り、コスト削減に努めて物件費の圧縮を図る。
類似団体と同水準であるが、全国及び県平均よりは大幅に低い(良い)。児童手当等の減少により令和2年度は前年度比0.5ポイント減少している。今後も社会保障制度改革等の影響を受け、子育て・医療等の経費が増加すると予測されるので、財政を圧迫することのないよう、適正なサービス提供に努めていく。
水道施設の老朽化による水道事業会計の繰出金等特別会計の繰出金額が年々増加している。今後も公共施設等総合管理計画や水道事業の経営戦略等により、施設の計画的な維持管理・更新に務め、普通会計の負担軽減に努める。
新型コロナウイルス対応給付事業費などの増があった一方、補助費の多くを占めていた塩谷広域行政組合及び後期高齢者医療広域連合等一部事務組合への負担金の減により、前年度比2pの減、類似団体内平均を下回った。今後も経費の節減や経営改善を促し、負担金の抑制を図る必要がある。また、各種団体等への補助金については、引き続き事業の意義、目的、効果、必要性を十分に検討し、随時見直し行い適正化を図る。
類似団体平均を5.4ポイントと大幅に下回っている。一般会計の元金償還のピークは平成20年度であり、新規起債を制限してきたことから公債費は年々減少している。ただし、今後は、新庁舎建設による新規起債や有効な過疎対策事業債の積極的な活用を考えていることから、一時的に数値が上昇することも考えられるが、交付税措置のある起債の活用などにより適正に管理していく。
類似団体・全国・県平均を下回っているものの、補助費や物件費及び操出金等の経常経費が増加傾向にあるため、今後も引き続き事業の必要性や優先度を考慮して、財政を圧迫することのないよう経費の節減に努める。
(増減理由)財政調整基金残高は、歳計剰余金処分2億円を含む2億6千万円を積立てた一方で、適切な財源確保と歳出の精査により、取崩しを回避しており、前年度より大幅に増額している。特定目的基金は予定された事業への取崩し(ふるさと応援基金・減債基金)や基金積立て(義務教育整備基金)をしているほか、新庁舎建設事業の財源として、庁舎整備基金へ1億6千万円を積立てたことにより、基金全体としては、4億3千6百万円の増加となった。※表中令和1の残高が3,666百万円となっているが、決算統計上は3,668百万円が正しい。(今後の方針)庁舎整備基金及び財政調整積立基金は令和5年度完成を予定している新庁舎建設事業のための財源として、計画的に積立てと取崩しを行ってしていく。短期的に新庁舎建設事業充当分で17億円程度取崩した後、長期的な基金全体額は20億円を目安として取崩し事業への充当と基金積み立てを行っていく。
(増減理由)令和1年度より2億6千万円強を積立てた一方、取崩しを回避したことによる増加。(今後の方針)短期的には新庁舎建設事業のための取崩しにより大幅に減少するが、中長期的には残高10億円程度を目安として適切な運用管理に努める。
(増減理由)ここ数年は利子分の増加のみであったが、令和元年度より債権償却分として取崩している。※表中令和1の残高が377百万円となっているが、決算統計上は379百万円が正しいので、令和2は増減なし。(今後の方針)臨時財政対策債繰上げ償還などの財源として、計画的に確保・活用していく。
(基金の使途)庁舎整備基金:新庁舎建設工事事業に充当義務教育施設整備基金:小中学校の施設整備事業に充当ふるさと応援基金:高齢者生活支援費・防災対策費・教職員人事管理費等に充当(増減理由)庁舎整備基金に1億6千万円、ふるさと応援基金に9百万円、義務教育施設整備基金に3百万円、新規で森林環境譲与税積立基金に12百万円積立てる一方、主な取崩しはふるさと応援基金9百万円のため、前年度より175百万円増加している。(今後の方針)庁舎整備基金:令和5年度完成予定の新庁舎建設事業に充当するために、全額取崩す予定義務教育施設整備基金:毎年度3百万円を積立てる予定をしており、学校施設整備事業実施の際に取崩し充当ふるさと創生基金:新規積立は予定しておらず、庁舎整備の時期に合わせて全額取崩して適正な事業に充当する予定
本町では、令和28年度に策定した公共施設等総合管理計画において、公共施設マネジメントを推進し、当該計画に基づいた施設の維持管理を適正に進めている。有形固定資産減価償却率は全国平均・栃木県平均・類似団体内平均値を下回っており、資産の更新等が若干遅れているが、各施設において老朽化が進行していることから、適切な時期を見極めながら施設の更新及び長寿命化に取り組んでいく。
債務償還比率については、全国平均・栃木県平均・類似団体内平均値を大きく下回っており、債務償還能力は高いと言える。今後も引き続き健全かつ適正な財政管理を進めていく。
地方債の新規発行を抑制し、健全な基金の積み立て等を行ってきた結果、将来負担比率は類似団体内平均値を大幅に下回っている。有形固定資産減価償却率も類似団体内平均値を下回っているが前年度より1.7%増加しており、今後も公共施設等総合管理計画に基づいて施設改修など老朽化対策に積極に取り組んでいく。
実質公債費比率は、地方債の償還が着実に進んでいるため減少傾向にあるが、新庁舎や付帯施設の建設事業に係る地方債の発行が始まるため、今後増加することが予想され、引き続き適正な地方債の管理に取り組んでいく。
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