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財政力指数は0・45と類似団体及び県平均を下回り、低い水準で横ばい状態である。人口減少と高齢化の影響及び町税収入の核となる産業に乏しく、歳入の34.6%を地方交付税に依存しており、県内市町と比べて財政基盤が脆弱である。職員定数管理や、行政評価の導入による事務事業の見直しを行い歳出の削減を図っている。特に投資的事業の取捨選択により各年度の町債新規発行額を償還元金の8割未満とし、後年度負担の軽減を図ってきた。また、町税徴収率は平成28年度と比較し0.7ポイント上昇し、95.3%となっているが、引き続き徴収率向上に努める。使用料・手数料についても定期的に見直し適正な受益者負担のもとに歳入確保に努めることとする。
各種計画に基づき財政健全化を図るため予算規模を大幅に縮小し、経常的な人件費や繰出金等を削減してきた結果、下降傾向にあったが、ここ数年は80%前後となっている。平成29年度は、物件費と補助費の経常経費が増加したことにより、83.9%に上昇した。今後の見込みとしては、経常経費の増加要因は少子高齢化による扶助費及び水道事業会計を始めとする繰出金であり、また、これまで減少要因であった公債費が、庁舎建設事業による起債に伴って増加する見込みである。一方、経常一般財源は減少していくことが予想され、経常収支比率は上昇する可能性がある。経常収支比率の抑制策として、これまで、各種業務民営化による人件費の削減や起債制限による公債費の削減に努めてきたが、今後は、経常的な物件費の削減により一層努める必要がある。
これまで同様、平成29年度も人件費の削減等により類似団体平均は下回ったが、県平均より4万円近く上回っている状況にある。人件費は平成28年度比で2.5%減、物件費も4.8%減となっている。人件費と物件費については、職員の削減に伴って業務委託が増加するなど、一部相関関係にあるが、効果的な業務委託やコストカットにより双方の削減に努める。同時に、人口減少にも歯止めをかけるような施策を進めていく。
職員の給与水準は、類似団体とほぼ同等であり、県内では、市町平均(99.7%)及び町平均(97.8%)を下回り最低の水準にある。このことは自律計画等に基づき給与制度の改革を進め、時間外勤務の縮減等、人件費の抑制に努めてきた結果である。職員の給与制度については、住民の理解と指示が得られる給与制度・運用・水準等の適正化が求められていることから、職務や能力、実績が反映できる人事評価制度を平成28年度から全職員対象に導入し、執り行っていく。※平成29年度の数値は前年度数値を引用
本町の職員数は、類似団体平均は下回ったが、全国市町村及び栃木県市町平均を上回っている。定員適正化計画に基づき組織機構の見直しや新規採用を抑制し職員数適正化に努めてきたものの、権限移譲等により事務量が増加し、また、人口減少の進行が顕著であるため、各平均水準まで職員数を削減することが困難な状況にある。今後も組織機構改革、事務事業の見直し、業務の外部委託及び民営化等を推進し、職員定員管理の適正化に努める。
元利償還金等の減と臨時財政対策債の占める割合の増により、比率は年々下がってきており、平成29年度は類似団体平均より3.8ポイント低く、県平均を0.6ポイント下回った。近く予定している庁舎建設による新規起債や、今後は過疎対策事業債を積極的に活用していく考えであることから、公債費が一時的に増加する可能性があるが、特に公共施設の維持更新について、計画的に投資的事業を実施していき、適正に借入と償還を管理していきたい。
町債残高の減と充当可能基金の増により年々改善し、平成25年度から将来負担は発生していない。これは、元金償還のピークが過ぎ、町債残高がピーク時の平成16年度の76億8千万円から約41億円に減少したことに起因している。依然として公営企業等債繰入見込額が高額であるものの、充当可能特定財源である積立金現在高も平成29年度では約44億円確保している。今後も将来への負担はできるだけ残さないよう努めるが、一方で、庁舎建設をはじめとする公共施設の維持更新に費用がかかることが予想されるため、適正な基金の繰入れや財政措置のある地方債の活用によりバランスを取っていく。
人件費の経常収支比率は、年々下降(改善)傾向にあり、平成29年度は類似団体平均とほぼ同等で、県平均より低い(良い)数値である。人件費の抑制については、継続的に改善を図ってきた。具体的には、休日勤務代休制度の継続や、新規職員採用の抑制による職員給与・職員数の減を実施してきており、今後も引き続き人件費の適正化に努める。
物件費の経常収支比率は、アルバイト雇用抑制、備品購入の抑制等を行ってきたが、物件費自体は平成29年度は減少したものの、経常収支比率は過去5年間で最も高くなり、今後も増加する可能性がある。物件費増加の要因は情報機器等のリースや業務の民間委託であるが、物件費の増加とその分の人件費の減少とのバランスを取り、財政効果をあげたい。
扶助費の経常収支比率は、類似団体平均より1.1ポイント高い(悪い)が、県平均よりは大幅に低い(良い)。扶助費については、全国的に増加傾向にあり、本町においても平成27年度から増加しており、今後も同様の傾向が予想されている。
その他の経常収支比率は、類似団体平均を4.3ポイント、県平均を3.1ポイント下回っている。今後は、公共施設の老朽化により維持補修費が増加する可能性があり、同様に、水道施設の老朽化により水道事業会計への繰出も増加する見込みであるため、公共施設等総合管理計画や水道事業の経営戦略等により、施設の計画的な維持管理・更新が必要である。
補助費等の経常収支比率は、平成29年度は、類似団体平均を1.5ポイント、県平均を7.1ポイント上回っている。補助費については、増加傾向にあり、各種団体運営費補助金等は随時見直して適正化を図っているが、今後は、広域行政組合、後期高齢者医療広域連合等一部事務組合への負担金の増加が予想される。
公債費の経常収支比率は、類似団体平均を3.1ポイント、県平均も2.3ポイント下回っている。一般会計の元金償還のピークは平成20年度であり、新規起債を制限してきたことから公債費は年々減少している。ただし、今後は、庁舎建設による新規起債や過疎対策事業債の積極的活用も考えていることから、一時的に数値が上昇ことも考えられるが、財政措置のある起債の活用などにより適正に管理していきたい。
公債費以外の経常収支比率は、類似団体平均及び県平均を下回っているが、ここ2ヵ年度は、数値が上昇している。経常収支比率の中で最も大きな割合を占める人件費は減少傾向にあるが、補助費や物件費が増加傾向にある。今後も引き続き公債費以外の経費について、事業の取捨選択を行い、真に必要な事業を適正な計画に基づき実施していく必要がある。
(増減理由)財政調整積立基金に剰余金処分で1億2千万円、庁舎整備基金に2億2千8百万円積み立てたことなどにより、3億5千8百万円の増となった。(今後の方針)平成33年度完了を目指している庁舎建設事業に充当するために、庁舎整備基金及び財政調整積立基金を積み立てていく。全体額としては平成29年度がピークであると思われ、短期的には庁舎建設事業に伴い、17億~18億円程度を取り崩す予定である。その後は、全体額としては20億円を一つの目安として、取り崩しての事業への充当と、積立を行っていきたい。
(増減理由)前年度剰余金処分により1億2千万円積み立てた。(今後の方針)残高のピークは平成29年度であると思われ、今後は、短期的には庁舎建設事業の期間(工事期間平成32・33年度の予定)に一部取り崩す予定であり、中長期的には、人口減少による町税減少などに備えて、残高10億円を目安に、適切に運用していきたい。
(増減理由)ここ数年は利子の増加のみで、積立・取崩はしていない。(今後の方針)具体的に借換等の予定はないが、今後、繰上償還などが発生したときのために確保しておく。
(基金の使途)庁舎整備基金:役場庁舎建設事業に充当する。義務教育施設整備基金:小学校・中学校の施設整備事業に充当する。(増減理由)庁舎整備基金に2億2千8百万円、ふるさと応援基金に7百万円、義務教育施設整備基金に3百万円積み立てたことにより増加した。(今後の方針)庁舎整備基金:平成33年度完了予定の庁舎建築事業に伴い、全額取り崩し予定。義務教育施設整備基金:毎年度300万円を積み立て予定。学校施設整備事業があった際に充当する。ふるさと創生基金:新規積み立ては予定しておらず、庁舎整備の時期に合わせて全額取り崩して適正な事業に充当する予定である。
将来負担比率については、地方債残高の減少や充当可能基金の増加により、近年は発生していない。実質公債費比率についても、起債額をその年度の町債償還額の8割以内に抑えてきたことにより年々減少してきたが、今後、新庁舎整備を予定していることから、現有基金の取崩しや新たな地方債の発行も予定している。また、過疎地域に指定されたことにより、町過疎地域自立促進計画に基づいた事業を行っていくうえで過疎対策事業債の発行も可能であることから、地方債残高は増加することが見込まれるが、計画的な運営により健全性を確保していく必要がある。
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