経営の健全性・効率性について
村内には水道施設が13施設あり、昭和40年代後半から60年代前半に建設されている。各施設は建設後経年劣化により老朽化しており、施設の修繕や改修、管路敷設替えを積極的に進めていかなければならない状況にある。しかしながら、過疎化による人口減少の影響から、建設当時の給水人口より大幅に減少しているため、施設そのものの老朽化及び施設能力が過大となっている状況である。今後も給水人口の減少は料金収入の減額を招いてしまうことで、料金高騰につながる恐れもあり、水道事業を抜本的に見直す必要がある。①収入的収支比率と⑤料金回収率については、類似団体と比較し高い数値となっているが、少子高齢化の影響により、給水収益は減少傾向にあり、地形的にも傾斜地が多く民家が点在し、施設数も多いため、維持管理に相応の経費を要している。加入者から比較的高い水道料金を負担いただいているが、費用の一部を一般会計からの繰入金で賄っている状況である。平成30年度まで収益が増加し改善傾向にあったものの、継続的に改善することは厳しく現在減少傾向にある。④企業債残高対給水収益比率については、平成26年度より地方債を活用し老朽管の敷設替えを実施し、1施設は令和2年度に全線事業完了した。しかし、他施設の更新や改修等は継続的に実施していく予定のため、今後は増加傾向に推移すると想定される。⑥給水原価については、平成28年度に統合認可申請や固定資産台帳整備のために経費が増加したことによる影響や、今後も設備投資の増加や公営企業法適用に伴う新規事業により増加傾向にある。⑦施設利用率については、人口減少に伴い施設能力が過大となる施設が増加していることから、増加傾向で推移することは現状見込めない。⑧有収率については、平成26年度に大きな漏水修繕を実施したことで増加傾向にあったが、平成29年度から減少した。問題は漏水による影響だが、建設後40年以上経過した施設が多いため、費用対効果を検討し計画的な修繕及び更新が必要である。
老朽化の状況について
村内の全13施設のうち昭和40年代後半に建設された、最も古い2施設は敷設替えを実施した。残りの11施設は40年以上経過した施設が存在し、老朽化が進んでいる。この大部分の施設では、1日配水量のうち5割以上が漏水と想定される。しかし、人口減少の影響から、施設能力は過大なため漏水等があっても断水にならない状況である。漏水判定できるものは修繕を積極的に実施しているが、水源の状況変化により取水の枯渇や導水管漏水により流入量が減少している施設もあり、水の確保も問題となっている。現在の経年劣化により老朽化等で、平成26年度より、国庫補助事業にて水道管の敷設替えを開始している。グラフでは示されないが、管路更新率は平成29年度:0.28%、平成30年度:0.09%、令和元年度:0.11%、令和2年度:0.13%、令和3年度:0%である。突発的な漏水が発生する頻度も多いため、計画的な管路更新を実施しなければならない。
全体総括
施設数や管路延長などが多く、維持管理及び修繕を必要とする施設が多々あるなか、給水人口は年々減少し料金収入は減少している。一方で維持管理が財政的・物理的な面でも困難であるため、経営改善が急務である。