八幡浜市：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

①収益的収支比率については、Ｈ27に旧保内地域の簡易水道等６地区が先行して上水道と統合したためＨ28の簡水区域は残り15地区となった。簡易水道の規模や性質のため開栓手数料や水道使用料の収益での維持管理が難しく、一般会計繰入金に頼らざるを得ない。また、上水道との統合が先行する地域では料金が引き上げられるが残留地区での黒字化は望めない。④企業債残高対給水収益比率については、料金収入は増加していないが、簡易水道統合整備事業に伴う地方債発行により、企業債残高が増加したことがＨ28に大幅に増加した要因である。⑤料金回収率については、Ｈ28は旧保内地区が統合され、旧八幡浜地区のみの料金収入となった。Ｈ29は旧八幡浜地区（4地区）が統合され、過年度分の未収金回収額だけが料金収入となるため、収入の殆どを一般会計繰入金に頼ることになる。⑥給水原価については、Ｈ27の簡易水道等6地区の上水道への統合により年間総有収率は減少したものの、Ｈ28以降の簡易水道統合整備事業に伴う地方債発行分が大きく影響して約40％の増加となった。⑦施設利用率については、老朽化の進む地元管理の簡易水道施設が人口の減少等により利用率が低下傾向にあり、現状に適切な施設規模ではないと考えられる。施設利用率の向上のため周辺の団体との広域化・共同化も含め、施設の統廃合・ダウンサイジング等の検討を行うことが必要である。また修繕工事費等に実費の半額を市が負担する補助金制度を設けており地元の維持運営の負担減を図っている。⑧有収率は5年以上に渡りほぼ横ばいで安定しており、遠隔監視システムからの異常発生通知に基づき即時に対処するよう努力している。職員や専門業者のみならず、地元住民とも委託契約を交わし異常発生時に現場到着と対応の迅速化を図っている。

老朽化の状況について

・経年劣化による簡易水道施設や配水管等の老朽化により、修繕部位は年々増加しており財政を圧迫しているため、更新や大規模改修は行わず維持・修繕程度に留め、今後は整備計画に基づき上水道との統合を図る。・未統合地区での陳腐化・経時劣化した簡易水道等施設の維持管理については、部品・資材等の修理や新規購入の際に補助金を支出して支援する制度を充実させる必要がある。・総括的改変ではなく個別箇所での送水管損壊の調査・発見によって修繕を重ね、統合に備える。

全体総括

・H28末をもって簡易水道から上水道への第1期統合整備事業は完了するが、限界集落等の統合を見送った一部地域への補助・援助は継続する。・未統合地区が残っている以上、簡易水道特別会計は存続するが、料金収入が無い会計の企業会計への移行方法が課題となっている。・地元組合管理の簡易水道施設は老朽化の進行に加え、過疎化・高齢化によって施設維持管理の負担が増加している状況にあるが、今後も施設維持修繕工事等に助成を行い労力等負担の軽減支援を図っていく。また、未統合地区への上水道への統合までにおける助成制度の拡充についても検討する。・安全な水を安定供給できるよう、運転管理に努力する。