経営の健全性・効率性について
H28~R2の5ヶ年における収益的収支比率の平均は100%以上であり、水道施設管理に関わる費用を給水収益等で賄えている状況ではあるが、R1においては大きく減少し68.84%となっていた。これは水道管の更新に関わる事業を実施し、水道管の新設工事に伴う費用が増加していること、また、事業に伴う地方債の借入を行っており、借入に伴う地方債償還金が増加していることが要因である。今後、長期的には地方債の借入れに伴う償還金の支払いが増加することから、更なる費用削減に努めていく必要がある。有収率については、類似団体と比較して有収率が低く、要因としては漏水等による影響が考えられる。R1より老朽化した水道管の更新工事を進めており、日常的な漏水調査や修繕を計画的に実施していくことで有収率の向上を図っていく。これらの状況を踏まえ、適切な料金収入の確保につながるよう現状の課題については計画的・継続的に改善実施していくとともに、維持管理に関わる費用削減に努めていくことが重要である。収益的収支比率が100%以上を維持するように将来の費用増加を踏まえ、健全経営を続けていくために、効率的・効果的な経営を検討・実施していく必要があると考える。
老朽化の状況について
中富良野町は泥炭地特有の軟弱地盤であり、通常の地盤に比べ水道管継手部への負荷が高く、経年による劣化・老朽化が進みやすいことが予測される。有収率の状況においても漏水による影響が考えられ、実際の現状としても継手部からの漏水は多く見受けられている現状である。水道事業開始時に布設した管は耐用年数を迎え、今後耐用年数を迎える管も増えてくる状況であることから、老朽管の更新は重要な課題であり計画的に実施していかなくてはならない。これらの状況をふまえ、R1から20年以上経過した水道管に優先順位をつけて更新をしている。それに伴い、更新に伴う費用が増加してくることから、収支のバランスを考え効率的・効果的な更新を行っていく必要があると考える。
全体総括
H29、R1、R3は収益的収支比率が100%を下回る状況であり今後は以下の費用増加が見込まれる。・老朽管の更新・修繕に関わる工事請負・修繕費・地方債借入に伴う地方債償還金施設の維持管理にかかる修繕及び更新・改良にかかる費用が増加傾向であることに対し、料金収入については人口減少等の影響をうけ収入増加を見込むことは非常に難しい状況である。これによりR3では100%を下回り、長期的にも収益的収支比率は段階的に低くなり厳しい経営状況になることが予測される。将来においても健全経営を続けていくために、収支予測をもとに施設の更新や時期、料金水準が適切であるか等の分析を継続すること、中長期的な経営計画をもとに収支バランスのとれた経営をしていく必要があると考える。