伊豆市：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

令和元年度の消費税改定による使用料金を改定しているが、平成26年度以降は経営状況を勘案した料金改定はおこなっていない。①人口減少、企業の経営状態等の変化により給水収益は減少傾向ではある。また、平成30年度～令和2年度は引き続き漏水事故が多く修繕費が例年より大幅に増加し財政を圧迫している。類似団体より若干上向きとなっているが、前年度からの繰越金及び一般会計からの繰入金で補填する状況が続いている。④八木沢小下田簡易水道の統合整備による起債償還が始まり、施設整備や認可申請等に多額の企業債を起こしたため、残高は増加傾向にある。今後は更新需要を的確に把握し、解消に向けた計画的な取り組みが必要となる。⑤料金が変わらず収益が減少する中、施設維持管理費や回収率は下がっている。施設の老朽化対策を的確に行い維持管理費を抑えることが必要である。⑥費用が増加しているため給水原価も比例して上がっている。⑦施設利用率は、年によって増減はあるもののほぼ横ばいの状態。⑧有収率はここ数年、管路更新工事を進めてきたため緩やかであるが回復してきたが、令和２年度は漏水事故が多く下がることとなった。

老朽化の状況について

多くの施設・管路は昭和40～50年代に整備されたものであるが、給水収益の減少により一年に施工できる事業量が限られているため、老朽化が進行している。現在は老朽化の著しい施設の改修や管路の更新工事を施工している。令和元年度に経営戦略を策定。更新計画に基づき改修工事を行う。

全体総括

伊豆市は集落が点在する中山間地域で施設が多く、施設統合が困難で維持管理費の割合が高い。施設や管路の老朽化も著しい。人員削減や給水収益の減少により老朽管の更新や施設の改修工事など一年に施工できる事業量も限られている。令和元年度に経営戦略を策定。更新計画に基づき、簡易水道事業の安定的・継続的な事業運営を遂行する。現状、給水収益のみでは、人件費、修繕等の施設維持管理費、支払利息等の経費を賄うことはできない。今後の起債償還の上昇等これまで以上に繰入金に頼らざるを得ない。また、令和３年度から法適化となり、水道事業との統合を検討し、今後料金改定等全体的な見直しが必要。