吉野町：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

・収益的収支比率に関しては、例年100％を下回っている状況にあった。主な要因としては、過疎化による人口減少に伴い給水量が減少していることと、当町の地形的要因として、給水人口に対して配管設備の投資が必要な距離が長くなっていることから、整備事業費が増大しており、財源として借り入れた企業債償還金の負担が大きいためである。しかし、平成27年度は吉野山地区の整備事業に伴う消費税の還付金が発生したため100％を上回った。・企業債残高対給水収益比率に関しては、平成25年度から平成28年度にかけて吉野山地区の上水道整備事業を進めていることから企業債が増加している。・施設利用率に関しては、同規模団体よりも低い水準になっており、近年では40％を下回っている状況にある。主な要因としては、過疎化による人口減少により設備設置時よりも施設利用者が減少したことで、施設能力が給水人口に対して過大となってきたためであり、今後もその傾向は加速していくと考えられる。

老朽化の状況について

平成23年度には柳地区の施設更新事業が完了し、平成25年度から平成28年度にかけて吉野山地区の上水道整備事業を進めており、老朽化の進んだ配管を適宜更新している状況にある。・既存施設の老朽化状況としては、配管に関しては吉野山整備事業の完了により老朽化配管の更新が一旦完了することになるが、平成３６年度には南大野地区の配管が耐用年数を経過することから、以降も計画的な更新が必要となってくる。又、機械及びポンプ設備に関しては耐用年数を超えた機器が一部稼働しており、故障等の発生時に入替やオーバーホール等行っているが、今後は計画的な更新が必要な状況にある。

全体総括

過疎化による人口の減少により年々給水量は落ち込んでおり、今後もその傾向は進んでいくと思われる。一方費用面に関しては、施設の維持コスト及び企業債償還金の負担が大きい状態が続いており、今後も削減は困難な状況にある。平成29年度からは施設が上水道へ移管されることにより、上水道会計の負担が増大することが予測される。これらのことから、施設を適正に運営するうえで、簡易水道統合時において、上水道料金よりも低く価格設定されているエリアの簡易水道料金を引き上げ、町内の水道料金を統一する方向で料金改定していく。