収益等の状況について
収益的収支比率は100%に近い状況が続いているが、これは、平成30年度に基金が底をついて以来、赤字分をそのまま一般会計からの繰入金により補填している状況にあるということである。また、令和2年度までは赤字額が年々増え、他会計補助金比率も増加傾向にあったが、令和3年度は経費削減により減少した。利用者数減少による「収益低下」と経年劣化による「維持経費増加」により、経営は困難な状況にある。令和3年度においても他会計補助金比率が全国平均を大きく上回った状況が目立つ。もちろん新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響はあるが、当該施設の経営の在り方を検討する必要がある。
資産等の状況について
昭和45年に建築。その後増築された新館においても昭和60年築で、施設の経年劣化による維持経費の増加は顕著である。今後多額の設備投資見込み額に対し、施設の在り方を含め検討する必要がある。
利用の状況について
当該施設は観光客もさることながらスポーツ合宿としての需要が多い。宿泊者数動向については、その合宿需要の低下が影響されたことを伺うことができる。令和2年度において新たにサッカー場も建設されたことから、さらなる地域の魅力発信と合宿利用を推し進める必要がある。また、令和2年度に比べ、定員稼働率に大きな変化はなかったが、類似団体平均値の半分以下になっているため、今後アフターコロナを見据えた誘客回復及び新たな需要に向けた対応を早急に図らなければならない。
全体総括
様々な指標から施設経営の厳しい状況を伺うことができる。施設の老朽化や利用者ニーズの変化、利用形態等の課題を整理しながら、周辺環境を生かし、合宿利用に特化した他施設との差別化を図ることを検討している。また、類似施設との経営統合や民間譲渡なども視野に抜本的な経営改善を検討しなければならない。