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類似団体を下回る大きな理由は税収である。芦屋町の地方税収は12.4億円と歳入全体の20%に満たない状況にある。これは、当町の総面積のうち1/3が航空自衛隊ということで行政面積が少ないことや、それにともない大規模な企業立地がないため固定資産税や法人町民税が少ないことが要因として考えられる。今後は法定普通税の徴収率を少しでも上げる必要がある。現年課税分については、98.7%であるが、滞納繰越分の徴収率は15.5%に留まっている。このため今後とも滞納額を圧縮することを重点におき、更なる徴収業務の強化に取り組む。
芦屋町モーターボート競走事業会計からの収益事業収入が2億円あったが、収益事業収入のため臨時一般財源扱いとなっていることが大きな要因である。上記したように行政面積等の関係により、今後も地方税収の増額が見込めないが、その一方町内小中学校の耐震化など主要な公共施設の改修も落ち着くことから、総合的かつバランスのある経費節減をはかり、競艇収益に頼らない財政運営を目指す。
平成21年度末をもって競艇施設特別会計(15億円程度の決算規模)を廃止した。つまり、競艇施設課職員分の人件費(約92百万円)が公営企業会計(モーターボート競走事業会計)に移管されたことにより、平成22年度に大幅な減少につながった。当町の特徴としては、人口1人あたりの人件費は類似団体と比較し低いものの、公共施設が多いため、施設運営に係る賃金等(物件費)が類似団体に比べて高いことである。
芦屋町集中改革プランに基づき実施された給与カット(平成21年度カット率3.0%)が終了したため、平成22年度に指数が上がっている。団塊世代の大量退職に伴い、経験年数10年未満の職員が全体の半数となっており、中堅職員が若くして昇格している。そのため中堅職員階層の給料は国と比べて高く、年齢を重ねるごとに下回っていく状況にある。また、今まで芦屋町では国家公務員の給料と比べ、若年層において高い指数となっており、給料構造の見直しが課題とされていた。そのため、給与カット終了時点で初任給基準を下げ見直しを行った。
定員管理適正計画に基づき退職者不補充などによる職員の削減策を行ってきたが、平成24年度については休職者等の補充を行った結果、全国の類似団体平均を上回る状況となった。今後も、技能労務職及び保育士を除く退職者については補充することを基本としたうえで、住民サービス向上の観点から、可能な範囲での民営化、指定管理者制度の導入を推進する。また直営部門の住民サービス向上のため、多種多様化及び増加する直営部門の各業務状況を精査し、時代に即した組織機構の構築とそれに伴う職員配置を行うことで、定員適正化を図る。
実質公債費比率は類似団体の平均を下回るものの、昨年度よりも上昇している。上昇の要因は、平成19年度借入の退職手当債の元金償還が開始したことと、普通交付税の増額以上に臨時財政対策債が減額したためである。平成19年度に団塊世代の退職にともない退職手当債の借入を行ったことが、実質公債費比率上昇の要因となっているが、別紙人件費項目をみると歳出に占める人件費の割合が大きく改善しているため、財政的効果はあったといえる。
将来負担比率は良好なため数字として算出されておらず、類似団体内順位も1位である。将来負担比率が良好な要因としては、起債の償還に充当可能な特定目的基金を多く保有しているためである。今後も引き続き後世への負担を増加させないよう計画的な事業の実施等を行う。
人件費の決算額は、退職手当の減額にともない平成22年度に比べ2.2億円程度減額している。しかしながら、平成22年度は退職手当債を充当しているため、平成23年度の経常収支比率は上昇している。平成19年度から平成22年度までの団塊世代の大量退職に伴い職員の若年化が進んでいる。この結果、退職者と新規採用職員の平均給与額の差も、人件費引き下げの一つの要因となっている。
物件費の決算額及び経常収支に占める割合は平成22年度とほぼ同等に推移しているものの、他団体と比較すると非常に大きな割合を占めている。この要因は公共施設の多さにある。各施設の維持管理費や、レジャープールや老人憩いの家等の指定管理料及び、芦屋釜の里や歴史資料館等の臨時職員の賃金等が物件費に計上されており、類似団体と比較し高い割合となっている。また、教育力の向上に力を入れており、小学校4年生まで拡大して35人学級としており、町単独雇用教職員に対する賃金も物件費上昇の要因の一つである。
扶助費の決算額自体は平成22年度に比べ1千万円程度増額しているが、充当財源が増えたため経常収支比率は改善している。扶助費は、平成18年度に敬老祝金や障がい者・母子福祉手当などの町単独事業を大幅に縮小したが、依然として高い水準である。今後とも、必要な施策は維持しつつ、財政を圧迫することのないよう福祉施策の見直しに努める。
その他については、他団体と比較してその割合は下回っている。その他に係る経費として支出されている主なものは公営企業等への繰出金(5.5億円)と積立金(1.5億円)である。特に公営企業等への繰出金のうち、国民健康保険事業会計への赤字補填財源繰出金が30百万円あることから、赤字補填分をどのように解消していくかが今後の課題である。
他団体の比較すると特にその占める割合が大きいことが分かる。これは、公営企業会計である下水道会計及び病院会計への補助金が多額になっているためである。特に、一般会計からは下水道事業会計への補助金が多額になっているが、当町は下水道普及率がほぼ100%に達しており、これに伴う経費も大きいことに起因する。
公債費の占める割合は類型団体と比較しても良好な状況である。特に大きく改善した平成22年度は、平成21年度末をもって15億円程度の決算規模であった競艇施設特別会計を廃止したことにより、同会計のもつ地方債現在高(約28.3億円)が、公営企業会計(モーターボート競走事業会計)に移管されたためである。また、平成23年度の割合が上昇した要因は、退職手当債の元金償還が始まったことによるものである。
当町においては、公債費以外の割合が大きく、言いかえれば義務的経費である公債費に縛られない財政運営が行えるということである。公債費以外の経費のうち、普通建設事業費については平成22年度よりも決算額2.7億円増額している。この増額については、小学校の耐震補強工事を実施したことが主な要因である。
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