西予市：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

収益的収支比率の当該値は、100前後を推移しているが、平成27年度の収益的収支比率の当該値は100未満となっており、単年度収支においては赤字となっている。また、料金回収率においても類似団体との平均値では上回っているものの当該値が100未満であり、給水収益以外の収入に依存しているのが現状である。繰出基準に定める事由以外の繰出金によって収入不足が補填されており、経営基盤は脆弱である。今後の人口減少による給水収益の減少は避けられない課題となっており、更なる経費の節減、財源確保が必要になってくる。また、料金回収率の数値からもわかるように、繰出基準に定める事由以外の繰出金によって補填運営されている現状がある以上、将来的には適正な料金設定となるよう料金見直しも視野に入れなければならない。

老朽化の状況について

管路更新率では、当該値から見ても更新は進んでおらず、類似団体の平均値と比較しても低い数値となっている。また、簡易水道施設は、山間部にも点在しており、水道施設等を整備するには非常に効率の悪い地域であることも更新が進まない要因となっている。今後は、さらに人口減少が進み給水収益が減少していくなかで、施設等の更新に係る財源の確保が現状以上に厳しいものとなるため、施設の現状把握と計画的・効率的な投資が必要となってくる。

全体総括

今後の人口減少による給水収益の減少を考慮すると、さらなる経費の節減等を行い、財源の確保に努めるとともに、将来的には経営統合・施設統合・料金改定等も視野に入れた経営基盤の強化を進めていく必要がある。また、老朽化した施設等の更新は、耐用年数・現状等も把握した上で、計画的かつ効率的に順次進めていかなければならない。今後は、公営企業会計の適用・経営戦略の策定等で、より的確な経営状況を把握した上で、他団体との比較や経営改善及び経営判断を行い、健全な運営となるよう努めていかなければならない。