経営の健全性・効率性について
収益的収支は昨年度から低下しているが、地方債償還金が増加したことによるもので、料金改定や施設統合なそ経営改善に向けた取り組みが必要と考えられる。企業債残高対給水収益比率と料金回収率の数値が昨年度から急激に変化しているのは、コロナ対策として、水道料金の無料化を行ったことによるもので、無料分を料金として換算すれば類似団体と近似値となるが水道料金の見直しを検討するべき数値である。施設利用率および有収率は類似団体に比べともに低い数値である。施設利用率は給水人口減によるものと思われることから、施設のダウンサイジング・統合を検討する時期である。有収率は近年上昇傾向であり、管路の大部分は布設替を行い、漏水は減少しつつある。しかしながら、耐用年数を過ぎた管からの漏水が顕著に現れており、計画的な布設替を行う必要がある。
老朽化の状況について
管路更新計画を基に、布設替を行っているが、昨年度は施設間の融通のための施設整備の事業を行い更新率が減少した。数値はないが管路のほとんどを更新し、耐用年数を超えた管路は一部となっている。今後はさらなる管路更新を行う予定である。施設や設備は建設・設置後20数年が経過し、様々な不具合が起こっている。これらについても定期的な更新が必要であり、そのための費用も軽微ではないため、課題の一つである。
全体総括
現在南部町では地方債償還金が最大を迎えている。また、多くの施設を抱え、その維持費も年々上昇している状況である。そのためには料金改定も必要だが、コロナや物価高の社会情勢を鑑みると必要最低限の改定を行えるかどうかであるため、管路更新や設備更新はより計画性を持って行う必要がある。また、施設の多さは管理する職員数の現状もあり、あらゆる負担を大きくしているため、今後は施設の統合計画を立てる必要があり、これらを勘案して経営戦略を改定し、より安定した水道運営を目指す。