経営の健全性・効率性について
長浜市の簡易水道事業について、平成28年度は余呉・木之本簡易水道事業と西浅井簡易水道事業の2事業を経営している。収益的収支比率については、平成29年度に残る2つの簡易水道事業を長浜水道企業団へ経営統合するに当たり3月末の打切決算となったため、正確な値ではないが、今後は給水人口の減少による料金収入の減少が見込まれ悪化すると考える。企業債残高対給水収益比率については、現在、統合再編事業に伴う浄水場施設整備のために借入を行った企業債が影響し、大幅に増加している。料金回収率についても、打切り決算の影響で正確な値ではないが、給水人口の減少による料金収入の伸び悩みの克服が課題である。給水原価については、統合再編事業費の増加に伴い今後も高くなることが見込まれる。施設利用率については、給水区域の統合、施設の統廃合等認可の見直しを行い給水規模を縮小したことから、類似団体の平均を上回る数値となっているが、今後は給水人口の減少が予想され、利用率は悪化するものと考える。有収率については、長浜水道企業団への事業移管に備え、大規模な施設洗浄を行ったことにより昨年度と同様に減少した。
老朽化の状況について
統合再編事業において、取水、浄水施設など、安全な水質の確保のための整備を進めているが、管路については、下水道管敷設時に更新を行っているため、現在のところ敷設後30年を経過したものはない。このことから管路の更新については、今後、事業移管先である長浜水道企業団の経営状況に鑑みて、アセットマネジメント、ストックマネジメントを策定し、計画的に行っていく予定である。
全体総括
長浜市では、平成23年度に策定した地域水道ビジョンに基づき、平成29年度に残る2つの簡易水道事業を長浜水道企業団へ事業移管することになる。今後は、長浜水道企業団で事業運営を行うが、過疎化等によって給水人口が減少し料金収入が伸び悩んでいることに加え、統合再編事業費の増加による影響で、厳しい経営状況になることが予想される。しかしながら、料金改定も実施したばかりで、すぐにはできないことから、新規建設事業等を抑制することで、経営状況の悪化を防ぐ必要がある。