経営の健全性・効率性について
収益的収支比率については、企業債償還が経営の硬直化の要因となっており、一般会計からの繰入金に依存している状況である。企業債残高対事業規模比率については、整備後に新規の借入はしておらず、現在高は減少しているものの、小規模施設の高資本整備による企業債が大きく、前年度より低くなってはいるが、依然として類似団体と比べて高い比率となっている。経費回収率については、処理人口も僅少であるため、一般会計からの繰入金に依存している状況である。汚水処理原価については、管理経費の減少により、前年に比べ減少している。施設利用率については、前年度と同程度の汚水量を維持しているが、過疎化の影響で処理区域内人口は減少傾向にあり、徐々に下がっていくことが予想される。水洗化率については100%で、類似団体の平均を大きく上回っている。
老朽化の状況について
供用開始後20年以上が経過し、今後の処理機能の維持については、下水道事業審議会の答申を踏まえ、次期下水道ビジョンで計画的な更新について検討していく。
全体総括
長浜市の小規模集合排水処理事業は、1地区の経営で、処理区域内人口が20人に満たず、使用料収入を見込むことができないため、類似団体と比較しても、汚水処理原価は高く、経費回収率は低い状況にある。今後も当該地区の人口減少は否めず、施設の老朽化の進行を考慮すると、経営状況はますます厳しくなることが予想されるため、次期下水道ビジョン作成時に対策案を検討していく。