経営の健全性・効率性について
収益的収支比率が100%を割り込み、単年度収支が赤字である。また、企業債残高対事業規模比率は減少傾向であるが平均値のおよそ2.3倍も高く、経営規模に比べ地方債の規模が大きいことによる利払負担が収益圧迫要因となっている。地理的な制限や人口減少等で料金収入の伸びは見込めないため、適正な料金改定を進める必要がある。汚水処理原価は、平均値の63.74%ではあるが、経費回収率は100%に満たない。維持管理費の削減等、経営改善を進める必要がある。施設利用率は平均値を上回るが、水洗化率100%を目指し、接続推進に努めたい。施設効率を改善するとともに、料金改定を含めた経営のあり方や、今後の投資のあり方を見直す必要がある。
老朽化の状況について
供用開始から20年以上が経過しており、平成29年度には処理施設の機能診断を行っている。ポンプ類等設備の老朽化が進んでいるため、計画的な老朽化対策を検討している。管路については、更新の目安とする30年を経過しておらず、機能診断は実施しているが、具体的な更新計画はない。
全体総括
人口減少等に伴う料金収入の減少を見込み、平成30年度の1割程度の値上げに続き、令和2年度に消費税相当程度の値上げを行った。今後も適正な料金設定のため、定期的な見直しを検討している。汚水発生量の減少を見込み、全体費用を抑制するため、維持管理費の効率化により管理経費の削減を進める必要がある。水洗化率94%以上ではあるが、少子高齢化とともに、未接続の家庭は高齢者世帯が多く、経済的負担等の理由により、伸び悩んでいる現状がある。100%を目指し接続率向上への取り組みとして、令和2年度から補助制度を導入している。地理的な制限があるため、施設の統合による効率化は不可能であり、現在の施設数(2施設)での規模で経営が続く予定。