経営の健全性・効率性について
【経常損益】経常収支比率はやや減少し、96.16%だった。今後は100%を目指し経営努力を行う。【累積欠損】地方公営企業法適用時の利益剰余金をマイナス計上としたため累積欠損金比率は高い数値となっている。【支払能力】一般会計からの繰入を現金収支ベースで行っているため、内部留保がなく流動比率は低い数値となっているが、資本費平準化債の発行により数値は増加している。【債務残高】平準化債を発行しており、企業債残高対事業規模比率は、類似団体平均値と比較して高くなっている。【料金水準の適切性】経費回収率は類似団体等よりは高い水準であるが、58.45%となっている。限られた地域のみの事業のため収益性は低い。【費用の効率性】汚水処理原価は、類似団体平均値及び全国平均値を大きく下回っている状況である。今後も経費の節減等に努め数値の上昇を抑えていく。【施設の効率性】施設利用率は、人口減少のため低い数値となっており、施設更新時には規模の見直しを検討し効率的な施設運営を図る必要がある。
老朽化の状況について
【施設全体の減価償却の状況】地方公営企業法適用時に償却対象資産の帳簿原価を減価償却後の数値としたため、有形固定資産減価償却率は低い数値となっている。【管渠の経年化の状況】【管路の更新投資・老朽化対策の実施状況】平成11~17年にかけて供用開始された事業であり、供用開始後20年が経過したところで、比較的老朽化は進行していない。現時点では適切な維持管理を行うことで施設の延命化に努めながら、施設更新に向けて検討し、計画的な更新を実施していく。
全体総括
本事業は、平成11~17年度に供用開始し、整備率は100%となっている。経営状況は、類似団体平均値と比較すると概ね良好な状況であるが、施設利用率が低く、効率的な施設運営の観点で問題がある状況である。しかしながら、当該事業区域は地理的に過疎化が一層進んでいる地域であり大きく好転させることは困難な状況である。平成29年4月に地方公営企業法を適用し、企業会計方式に移行した。今後は、事業の計画性や透明性の確保、財政状況及び経営状況の透明化・明確化を図り、平成28年度に策定した中長期的な経営の基本計画である「経営戦略」に沿って計画的で合理的な事業運営を図り、経営改善に努める。