経営の健全性・効率性について
単年度の収支を示す「①収益的収支比率」は、H27年度が65.87%と有収率の向上等から若干増加したが、過去4年60%前半台で類似団体よりも低い数値を推移している。給水収益に対する企業債残高の割合を示す「④企業債残高対給水収益」は減少傾向にあるが、50年間に及ぶ建設改良の積み重ねに伴い1,827.95%と類似団体よりも高い数値で推移している。給水に係る費用がどの程度給水収益で賄えているかを示す「⑤料金回収率」は、給水区域内人口の減少及び中山間地域特性の住居が点在していることから経常費用に対する料金収入が確保されないため43.42%と類似団体よりも低い数値で横ばいに推移している。これらのことから地域特性も考慮した料金収入検討の必要がある。年間総配水量に対する年間総有収水量の割合である「⑧有収率」は、漏水対策等から79.71%と向上し、有収水量1㎥あたりの費用を表す「⑥給水原価」も維持管理経費等の見直しにより481.92円と前年度より減少となったが、一日配水能力に対する一日平均配水量の割合である「⑦施設利用率」は、節水意識の向上と人口減少等によりH27年度は49.35%と減少していることから、ダウンサイジング等も検討しつつ維持管理経費(漏水対応等)と投資的経費(管路更新等)に係る計画的かつ効率的な経営改善が必要である。
老朽化の状況について
昭和36年度から供用開始しているが、これまで定期的に管路の更新を実施しており、現在法定超過管路はない。今後は、長期的展望を再考した安芸高田市水道ビジョンを策定し、計画的かつ効率的な更新を実施していく必要がある。
全体総括
給水区域内人口が減少する中、経営の健全性と効率性を高めるため、平成28年度中に経営戦略を策定し、将来を見据えた料金改定等により料金収入を確保するとともに、統廃合も含めた計画的な施設の更新と維持管理を実施していく必要がある。