経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は、収益的収入から除かれる企業債償還金の繰出基準(一般会計繰入金)が企業債償還金の増加に伴い増加傾向にあり、比率が年々減少している。平成24年度は企業債の借換による繰上償還を行ったため減となっている。平成27年度は法適用に向けた施設台帳整備を行ったため減となっている。企業債残高対給水収益比率は、企業債残高が減少傾向であるため比率も年々減少している。料金回収率・給水原価は、企業債償還金の増加及び有収水量の減少傾向により、給水原価が年々増加し、料金回収率が年々減少している。さらに平成27年度は法適用に向けた施設台帳整備を行ったため給水原価が48.05円増加し、料金回収率は7.86ポイント減少している。施設利用率は、人口減少により配水量が減少しているため、比率は年々減少している。有収率は、類似団体と比較して低水準であるが、変動費が少ないため費用に影響は与えていない。水道料金を上水道と同じ料金にしているため供給単価が類似団体より安価となり、結果、料金回収率は類似団体より悪くなっている。上水道と同じく人口減少により給水収益は減少傾向にあり、将来的には料金改定を行わざるを得ない状況である。また、施設利用率は低く、将来的に、施設更新の際にはダウンサイジングが必要である。
老朽化の状況について
管路更新率が非常に低いが、企業債残高対給水収益比率も高く、管路更新が進まない状態である。簡易水道は、固定資産台帳を作成していないため、管路経年化率が不明であり、老朽化の状況が把握しずらい状態である。平成28年度には固定資産台帳を整備して老朽化の状況を把握し、管路更新計画の策定について外部委託しているところである。
全体総括
施設のダウンサイジング、管路更新等の長期的な更新計画を作成し、財政計画とのバランスをとりつつ、料金改定等を考慮した経営戦略を策定する必要がある。また、地方公営企業法を早期に適用する必要があり、平成32年度を目標に整備を進めているところである。そのために、まず平成27年度には、施設・管路の台帳整備を外部委託したところであり、平成28年度には、固定資産台帳の整備、平成28年度から平成29年度にかけては、施設・管路の更新計画の策定を外部委託しているところである。