地域において担っている役割
①医療機関や介護施設等と密接に連携し、住民の安心を24時間365日守るための医療の提供②二次救急医療を担い、小児医療、災害医療、感染症医療等、民間医療機関では提供できない不採算・特殊部門に関わる医療の提供③国保直営診療施設として保健・福祉・介護分野の密接な地域連携の核となって、国東市における地域包括ケアシステムを構築する役割④多種にわたる学生の地域医療実習の実施等を含む広域的な医師派遣の拠点としての機能
経営の健全性・効率性について
経常収支比率104.7%、医業収支比率94.8%と前年度と比較し経営状況は改善した。また、入院患者1人1日あたり収益は、年々増加傾向にあるため、病床利用率が改善すれば医業収益の改善が見込まれ、経営の健全性の確保に繋がる。病院経営の効率性を示す職員給与費対医業収益比率は、収益の向上に伴い前年に引き続き改善した。しかし、職員の適正配置及び給料表や手当等が適正か否かは引き続き検討する必要がある。累積欠損金比率については、非常に高値となっているが、経年の医業経営にかかる赤字の累積を示すものではなく、平成24年度に行われた病院改築事業に伴い発生した特別損失の計上(固定資産の除却)、平成26年度に施行された会計基準の見直しに伴う特別損失の計上(退職給付引当金)が主であり、経営状況の悪化を示すものではない。
老朽化の状況について
病院施設については、平成22年度から平成24年度にかけて病院改築事業を行い、平成24年度から新病院における運用を開始している。しかしながら、病院改築事業より8年が経過し施設および医療機器の老朽化が顕著となっており、施設の修繕費や医療機器の更新費用が増加傾向にある。また、平成24年度に導入した電子カルテを含む医療情報システムを令和元年度に更新する。
全体総括
新公立病院改革ガイドラインにおいて公立病院が地域の医療提供体制の中で、適切に役割を果たし良質な医療を提供していくためには、経常収支比率100%を達成し、更に維持していくことにより持続可能な経営が実現できるものと示されている。従って、当院も引き続き新公立病院改革プランに沿って経常収支比率100%の達成及び医業収支比率の更なる改善を目指し、非常勤体制となっている診療科の医師確保、増収に向けての種々の取り組みの継続、給与表の抜本的な見直し等に取り組んでいく必要がある。また、新公立病院改革プランは令和2年度までの計画となっているため、令和3年度以降の病院の方向性を示す新たな改革プラン(中長期計画)の策定に取り組む必要がある。