地域において担っている役割
福岡市における医療施策として求められている、小児高度専門医療、小児救急医療及び周産期医療を提供する中核的な小児総合医療施設として、こどものいのちと健康をまもる役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
院内に設置したCOVID-19対策本部を中心に、「福岡県新型コロナウイルス感染症疑い患者受入協力医療機関」として、コロナ病床の確保や環境の整備など小児のコロナ対策に継続して取り組んだ。新型コロナウイルス感染症の影響により、④病床利用率はコロナ禍以前を下回ったものの、①経常収支比率は100%を維持し、②医業収支比率等のその他指標についても、類似病院平均値と比較しても高い水準を維持しており、「経営の健全性・効率性」に大きな問題は生じていない。
老朽化の状況について
平成26年11月の新築・移転から8年が経過したため、①有形固定資産減価償却率については、類似病院平均値に近い水準で推移している。また、②器械備品減価償却率については、移転時に更新した医療機器等の殆どが減価償却期を超過したことから、類似病院平均値と比べ高い水準となっている。今後、計画的な医療機器等の更新が必要となる。
全体総括
経営の健全性・効率性を表す指標は、類似病院平均値と比較すると、⑥外来患者1人1日当たり収益を除き、良好に推移しており、現在の経営の状況は健全であるといえる。今後の課題としては、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい経営環境が継続するものと考えられるが、引き続き感染症への対応を適切に行うとともに、福岡市立こども病院に求められる役割を果たしていくため、医療環境の変化を踏まえながら必要な医療機能や病床数等について、検討を進めていく必要がある。