地域において担っている役割
綾部市立病院は市内唯一の公立病院であり、急性期の地域中核病院としての役割を担っています。また、平成28年5月からは地域包括ケア病棟を50床導入し、回復期・慢性期病床も望む地域ニーズに応える病院となっています。
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、前年度比で補助金が減少、一人あたりの診療単価の減少による総収益の減少、患者増による薬品費等の増加により、100%を下回り、単年度収支は赤字となりました。②医業収支比率については、類似病院平均値より高い値となっており、効率的な医業活動が実施できています。④病床利用率は、前年度と比べわずかに増加しましたが、新型コロナウイルス感染症による受診控え等の影響もあり、コロナ前の令和元年度以前の状況まで戻っていません。⑤入院患者1人1日当たり収益では内科、小児科、泌尿器科の患者数は増加したものの外科や整形外科の患者数は減少したため、全身麻酔をする大がかりな手術件数の減少等により、診療単価の減少の影響を受け大きく減少しました。⑥外来患者1人1日当たり収益は類似病院平均値を上回り、高い収益率となっています。⑦職員給与費対医業収益比率は、類似病院平均値より低い値となっており、効率的な病院運営が実施できています。⑧材料費対医業収益比率は、当院は院内処方を実施しているため、類似病院平均値より高い値となっています。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は類似病院平均値より低く、施設・設備の最適化に取り組めています。②器械備品減価償却率は、類似病院平均値を大きく下回り、施設・整備の最適化に取り組めています。③1床当たり有形固定資産は、平成27年度に完了した第4次整備事業の影響により、類似病院平均値を上回っています。
全体総括
令和3年度は入院・外来患者数とも前年度比で微増となりましたが、まだまだ新型コロナウイルス感染症の影響が大きく、経常収比率を100%以上維持することができず、赤字となりました。また高齢化や少子化による市内人口の減少や常勤医師不足による診療体制の確保が困難な状況で、経営状況は一層厳しくなっていくものと予想されます。病院経営を安定的に行うため、高い病床利用率を維持するとともに、病診・病病連携などによる新規患者獲得や経費削減に取り組み、経営の健全化に努めていきます。