尾道市：尾道市立市民病院

地域において担っている役割

尾道市立市民病院は尾三医療圏の二次救急体制を担い、救急医療、がん診療を中心とした医療を提供している。また、地域医療支援病院として地域で完結できる医療の提供に努め、二次医療圏における地域医療全体のレベルアップと、この地域での医療提供体制の整備を担っている。

経営の健全性・効率性について

新型コロナウイルスの影響で患者数が大幅に減少し、病床使用率も低下した。一方で医療の質向上の取り組みの成果などにより、入院・外来ともに患者1人1日当たり収益は向上している。職員給与費対医業収益比率が向上している。職員給与費対医業収益比率は医業収益の減収が影響し、比率が上昇している。材料費対医業収益比率は概ね適正な水準で推移している。

老朽化の状況について

病院建物本館は築39年、新館は21年が経過している。有形固定資産減価償却率が示すとおり、老朽化も進んでいるため、施設の再整備も検討している。平成28年度の1床当たり有形固定資産の増大は、病床数削減の影響と考えられる。

全体総括

令和２年度決算においては、新型コロナウイルスの影響もあり、経常収支比率、医業収支比率ともに下がっているが、最小限の下落に留まっている。地域において新たな役割が求められる中で当院においても病院の役割、機能を見直し、急性期中心の医療提供体制から地域包括ケア病棟を含む新たな体制への転換を進めた。地域包括ケア病棟の稼働が概ね順調に推移する一方で一般病棟への患者確保が課題であり、依然として不安定な運営状況にあるが、経営改革の取り組みを着実に進め、持続可能な病院の運営に努めている。