地域において担っている役割
民間医療機関の立地が困難な過疎地にありながら、災害拠点病院、市内唯一の救急告示病院として救急患者を受け入れ、地域の中核病院としての役割を担い、急性期医療のほか、在宅復帰を促進するための地域包括ケア病棟及び地域で不足している回復期リハビリテーション病棟を有し、幅広く地域に根差した医療を提供している。また、新型コロナウイルス感染症の発生時は、協力医療機関として、軽症から中等症患者の受け入れを行っている。
経営の健全性・効率性について
令和3年度は、新型コロナウイルス感染症の基本的な感染予防対策が徹底され、受診控えが解消され始めたことやワクチン接種が進んだことなどから、令和2年度と比較すると、入院・外来患者数は、ともに増加している。これにより経常収支比率は92.7%で前年度の88.3%より4.4%改善した。医業収支比率も79.7%で前年度の76.5%より3.2%改善したが、類似病院平均値(以下、平均値という。)の82.3%を2.6%下回る割合となっている。また、累積欠損金比率も156.4%と前年度の158.6%からは2.2%減少したものの、平均値の100.1%を大きく上回っている。病床利用率は61.0%となっているが、休床している精神科病床36床を含むもので、これを除くと73.9%となり平均値63.8%を上回っている。入院・外来患者1人1日当たり収益は、ともに平均値を下回っているが、上昇傾向にあるほか、患者の疾病構造からすると、高いものとなっている。
老朽化の状況について
現在の病院は、平成29年2月に新病院が完成し(開院は4月)、有形固定資産減価償却率は全国平均・類似病院平均値(以下、平均値という。)の半分程度となっている。器械備品減価償却率については、平均値をやや上回った。これは病院新築時に整備した器械備品が耐用年数を経過したことによるもので、以降、必要規模で計画的に更新しているところであり、今後も適切な管理に努める。1床当たり有形固定資産は平均値を下回っており適切な投資額となっている。
全体総括
令和3年度は、新型コロナの影響による減収・減益から回復の兆しが見られ、いずれの指標も前年度より好転した。収益では、患者数や手術件数の増に加え、新型コロナウイルス感染症関係の補助金によるところが大きく、210,694千円の増となった。一方費用は、会計年度任用職員に係る人件費の増や原油価格の高騰に伴う光熱水費の増などにより61,765千円増加した。その結果、収支は148,929千円改善したものの、経常収支比率は過去5年間で100%を上回っていない。入院・外来ともに1人1日当たりの収益は上昇傾向にあり、加えて、病床利用率の向上が求められる。