地域において担っている役割
地域医療の中核病院として本市の2次医療を担っている。また、政策医療として①救急医療体制の充実、②リハビリテーション医療の充実、③高度循環器系医療の充実、④歯科口腔外科診療の充実、⑤健康診断の充実などに取り組むほか、MRI、CTなどの高度医療機器を地域の医療機関と共同利用するなど地域医療の質の向上を図っている。新型コロナウイルス感染症への対応としては、重点医療機関として病床を確保し、患者受入体制を整備している。
経営の健全性・効率性について
③累積欠損金比率平均値を大きく下回っているが、平成29年4月の病院改築に係る減価償却費が多額になっていることなどにより、前年度と比較して比率が悪化している。④病床利用率新型コロナウイルス感染症の影響により令和2年度に大幅に減少したが、令和3年度は前年度を上回ることができた。平成29年4月の病院改築に伴い病床数を削減し適正な病床数になったことから平均値を上回っている。⑤入院患者1人1日当たり収益手術単価が高い心臓血管外科(50件増)、循環器内科(21件増)の手術件数が増えたことにより、前年と比較して増加している。⑥外来患者1人1日当たり収益前年度と比較しても大幅な増加はなく、1万円台を保ち概ね横這いとなっている。⑦職員給与費対医業収益比率入院外来患者の増加により医業収益が増加したため、前年度と比較し比率が改善している。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率、②器械備品減価償却率平成29年度の病院改築に伴い固定資産の除却を行ったことで平均値を下回っている。平成30年度以降は病院改築及び老朽化機器の更新に伴う器械備品の購入に係る減価償却を行っていることから、増加を続けている。③1床当たり有形固定資産令和3年10月に感染症指定医療機関の指定を辞退し、年度末病床数が4床減り212床となったことから当該指標が増加している。
全体総括
市立大村市民病院は利用料金制による指定管理者制度で病院運営を行っており、平成29年4月より新病院での診療を開始している。急性期医療から地域包括ケア、回復期、予防医学にわたる一貫した医療の提供を行っている。コロナ禍においても病床利用率は平均値を上回っており、10月以降は月平均85%以上を保ち安定した病床利用率となっている。経常収支比率については100%を下回る単年度赤字となっており、医業収益は90%を切っていることから、他会計繰入金に依存している状況である。令和3年度は、前年度と比べて入院収益、外来収益ともに増加し、指定管理者による病院運営自体も黒字となった。引き続き、地域医療において担うべき役割を果たしながら医業収益の増加に努め安定した経営を目指す。