地域において担っている役割
雲南二次医療圏において1次2次救急医療を担いながら、入院では急性期・回復期・慢性期の病床を備えたケアミックス病院として、地域住民へ安心安全な医療が提供できるよう充実を図っている。また、訪問看護や訪問診療などの在宅医療や、附属診療所の運営や無医地区への巡回診療も手掛け、地域包括ケアの中心的役割を担っている。当院は市内唯一の免震構造であることや、圏域唯一の感染症病床を有しており、有事の際には災害拠点病院、感染症指定医療機関としての機能を発揮し安定した医療提供を担う役割がある。新型コロナウイルス感染症の対応においては、前年度に引き続き県の要請による病床確保や入院患者の受け入れ、検査業務を行っている。令和3年度からはワクチン集団接種業務や自宅療養者の医学・健康管理業務等にも対応し、公立病院としての役割を果たしている。
経営の健全性・効率性について
経常収益は、診療単価の増加や分娩件数の増加等に加え、新型コロナウイルス感染症関係の補助金により、前年度比で723百万円の増収となった。経常費用は、材料費や原油価格高騰に伴う電気料等の増加により、前年度比で288百万円の増額となった。経常損益は前年度比で435百万円改善し、平成28年度以来の経常利益を計上した。医業収支比率は、前年度よりやや改善したもの減価償却費の増額により平均値を下回っている。入院・外来ともに1人当たりの収益は平均値を下回っているが病床利用率は上回っている。職員給与費対医業収益比率は平均値を上回っているが、一方で材料費対医業収益比率については下回っている。内部留保資金は、令和3年度に772百万円蓄積し繰越内部留保資金は2,662百万円となった。令和5年度から増加する企業債償還に備え、更なる蓄積が必要となる。
老朽化の状況について
平成30年3月に新本館棟を竣工し、その後駐車場整備や外構工事を行い、令和元年10月に病院建設事業を完成した。これにより、老朽化の度合いを示す有形固定資産減価償却率は平均値を下回っているが、器械備品減価償却率は年々上昇しており、器械備品の計画的な更新等が必要となる。また1床当たりの有形固定資産額については平均値を下回っているものの上昇傾向にある。今後、平成2年竣工の管理棟や平成8年竣工の中央棟、老朽化した医師・看護師宿舎の整備をどのように行っていくかが当面の課題となる。
全体総括
令和3年度は、新型コロナウイルス感染症関係の補助金等により経常損益は黒字を達成したが、今後は減価償却費や企業債償還額の負担増などから経常損益の黒字化は厳しいと考える。平成30年度より剰余金計上から欠損金計上に転じ、累積欠損金は増加していく傾向にあるが、キャッシュフローを重視した経営に取り組み内部留保資金の維持に努める。重視する繰越内部留保資金蓄積額は令和3年度末には過去最高となり、相応な企業体力は有していると考えているが、病院建設事業における企業債償還額の負担増が今後懸念される。資金繰りの悪化に耐え得るさらなる経営基盤の確立を目指す。