地域において担っている役割
平成20年4月から指定管理者制度(利用料金制)を導入し、学校法人金沢医科大学が指定管理者として管理運営を行い、地域医療の中核病院としての機能を担っている。氷見市は高齢化率が高いことから、へき地医療拠点病院としてへき地巡回診療等を行うとともに、回復期病棟を開設してリハビリテーション医療の充実を図り、地域の医療ニーズに即した医療を提供している。また、救急告示・病院群輪番制病院として二次救急医療を担い、地域の安全・安心に寄与している。
経営の健全性・効率性について
令和3年度の経常収支比率は、前年度比で1.0ポイント増加し、医業収支比率においても、過去4ヵ年平均値より0.6ポイント増加している。これは、新型コロナウイルス感染症の入院患者のための病床を確保したことによって、一般入院患者が減となった影響があったものの、外来患者の1人1日当たりの収益が増となったことや新型コロナウイルス感染症対策に係る国県の補助金収入があったことによるものである。これにより、材料費対医業収益比率が減少することとなった。今後も、感染症対策に万全を期し、安心して受診いただけるよう努めるとともに、効率的な人員配置や経費節減等により、収支の改善に努める。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、令和3年度において類似団体平均値を超え、老朽化が進んでいる。また、3年度において医療機器等の更新・整備費が平年より少なく、資産額に比して減価償却累計額が増となったことにより器械備品減価償却率が増加した。今後、新病院建設に係る減価償却率が増加していく中で、経年による改修費や修繕費が見込まれるが、老朽化対策の優先度を踏まえ、施設の長寿命化、経費の平準化を図るなどして計画的に整備を行う。医療機器等の更新・整備についても計画的に整備を行い、経営の安定化を図る。
全体総括
少子高齢化や急速に進む人口減少、厳しさを増す医療環境などの社会環境の変化を踏まえ、安定した病院運営のもと地域医療が持続的に確保できるように、医業収支の改善を目指す。令和2年度に策定した「更なる公立病院改革プラン」を着実に実行しながら、令和5年度までに、このプランを継承する「病院経営強化プラン」を策定するため、令和4年度では、その内容を指定管理者と協議するなどして着手し、より一層経営の安定化を図る。また、指定管理者の強みを生かした高度医療を提供し、医療機能の向上を図るために必要な医療機器等について計画的な整備に努める。