経営の健全性・効率性について
①『経常収支比率』…経常費用が経常収益でどの程度賄えているかを示す指標。100%を下回っているが概ね良好である。②『累積欠損金比率』…営業収益に対する累積欠損金の状況を示す指標。過去5年間においていずれも累積欠損金が生じており、経営の健全性に課題がある。この累積欠損金は、供用開始直後の昭和62年度から平成6年度までの間に発生したものであり、現時点においてもその解消に至っていない。③『流動比率』…流動負債に対する流動資産の割合で短期債務に対する支払能力を示す指標。類似団体平均を上回っており、概ね良好である。④『企業債残高対事業規模比率』…料金収入に対する企業債残高の割合であり、企業債残高の規模を示す指標。類似団体平均を下回っており、概ね適正な値である。⑤『経費回収率』…使用料で回収すべき経費を、どの程度使用料で賄えているかを示す指標。100%を下回っているが、類似団体平均を上回っており、概ね良好である。⑥『汚水処理原価』…有収水量1㎥当たりの汚水処理に要した費用で、汚水処理に係るコストを示す指標。類似団体平均を下回っており、概ね適正な値である。⑦『施設利用率』…施設の対応可能能力に対する処理水量の割合で、施設の利用状況を判断する指標。類似団体平均と同水準となっており、概ね適正な値である。⑧『水洗化率』…処理区域内人口のうち、実際に水洗便所を設置して汚水処理している割合を示す指標。類似団体平均を下回っており、今後も健全な財政運営に向け、未接続世帯への普及促進活動を積極的に行う必要がある。
老朽化の状況について
①『有形固定資産減価償却率』…有形固定資産のうち償却対象資産の減価償却がどの程度進んでいるかを示す指標。類似団体平均を上回っているが、全国平均とほぼ同様の数値となっており、概ね良好と判断される。②『老朽管朽化率』…法定耐用年数を超えた管渠延長の割合を示す指標。法定耐用年数を超えた管渠を保有していないことから、現時点においては適正な値となっている。③『管渠改善率』…当該年度に更新した管渠延長の割合を示す指標。年次計画にて実施しており例年同様の値となっている。
全体総括
『老朽化の状況』については、概ね良好と判断されるが、『経営の健全性・効率性』については次の2点が主な課題と判断される。①累積欠損金があり、その比率が平成30年度において184.31%となっていること。②水洗化率が、平成30年度において77.83%となっており、100%を下回っていること。以上のことから、今後は、整備中の面整備の早期促進による水洗化率の向上、維持管理費、支払利息等の費用の削減、使用料の改定等による収益性の向上を図ることにより、累積欠損金を解消し、運営の健全性を確保する必要がある。