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農林業が主体の本町においては、少子高齢化に歯止めがかからず、平成22年国勢調査では高齢化率36.3%と全国平均を大きく上回っている。また、農林業以外の中心産業もなく、税収、使用料・手数料などの自主財源が非常に乏しいため、地方交付税に依存した形となっている。財政基盤を強化するためには、自主財源を増やすことが先決だが、そのためには生産人口を増やし、安定した税収を確保しなければならない。よって雇用の場を確保し、若年層が住める住環境を整えるよう努める。
大型公共事業による起債の償還減(-111百万円)や、定年・勧奨退職者4名に伴う人件費の減少により、前年度費-1.5%と減少した。経常一般財源については、普通交付税が前年度比22百万円伸び、臨時財政対策債も前年度比16百万円伸びていることから、経常収支比率を押し下げた大きな要因となっている。しかし類似団体と比較すると10%の差がある。これは、類似団体に比べ、扶助費に対する支出が大きいからである。少子高齢化対策としての必要経費である以上は、削減することも難しいので、現在本町で取り組んでいる第3次行財政改革計画に基づき、物件費抑制、事務事業評価による事業の見直し・縮小・削減を図り、無駄な経常経費削減に取り組んでいく。
類似団体平均に比べ低くなっているのは、主に人件費、物件費が要因となっている。人件費については類似団体と比較して、人口千人当たり職員数が、7.84人少なく、職員給で人口1人当たり42,005円少なくなっていることが大きな要因である。物件費についても同様に人口1人当たり64,743円少なくなっている。今後も第3期行財政改革計画書に基づき、事業の見直し、単独優遇補助金等の効果的な支出を行いながら、無駄な経費の抑制に努めていく。
平成17・18年度には、職員給3%独自カットを行い、管理職手当の定額化、住居手当の廃止など、人勧に準拠した給与体系を継続してきた。類似団体との比較でも-3.4ポイント低くなっている。今後も適正な昇給・昇格管理を行い、住民に理解を得られる給与体系を維持していく。
本町は、定員管理目標(65名)を3年前から達成しており、現在も63名で業務を行っている。しかし権限委譲に伴い事務量は増加し、住民からのニーズも多種・多様なものへと日々変化しているため、少ない人数でいかに効率よく業務を遂行できるかを目標に、今後も適正な定員管理を行っていく。
大型公共事業時に借り入れた公債費分が減少(過疎債-111,625千円)したことが一番の要因である。また臨時財政対策債が前年度比16,204千円増加に伴う標準財政規模の増も大きな要因である。類似団体平均値より数値は減少しているが、今後考えられる若年層や高齢者向けの住宅建設、各施設の老朽化に伴う改修工事などで投資的経費は増える見込みなので、適切な起債管理を行い、将来にわたって負担を強いることがないよう、努めていく。
類似団体と比較すると比率は大きいが、年々減少傾向になってきている。これは一部事務組合に対する負担金の減(-49,649千円)、将来の債務に当てることができる充当可能基金が215,794千円増加したことが大きな要因である。今後の見通しとしては、地方債残高は、現在の事業量でいけば横ばいに推移し、事業に対する起債も過疎債が主なものなので、基準財政需要額算入見込額も70%は見込むことができる。また、一部事務組合に対する負担見込は、人吉球磨広域行政組合のゴミ処理施設維持・改修等に関する部分が増加するかもしれない。充当可能基金では、国の経済危機対策としての交付金事業で、一時的に一般財源を使用しなかった部分について、財政調整基金へ積立を行ったが、今後も必要に応じて少しずつ積立を行っていく。
類似団体と比較すると、決算額では人口1人当たり-60,197円の人件費が少なくなっているが、経常経費充当一般財源で9,574円増となっている。これは経常一般財源が乏しい中で、人件費に対する一般財源充当が大きいためである。ラス指数からも分かるように、給与体系的には全国平均を大きく下回っていることから、経常一般財源を確保しつつ、適正な給与体系を継続していく。
物件費に係る経常収支比率が類似団体と比較して高いのは、保育士確保のために、人材派遣会社への委託を行うことで職員人件費からシフトしている状況だからである。また新たに建設したグラウンドゴルフ場に係る指定管理委託も増加した原因のひとつである。今後は第3期行財政改革計画に基づき、PDCAサイクルのもと、事業の見直しを図っていく。
平成20からは若干減少しているものの、類似団体平均を大きく上回っている。これは、障害者介護給付・訓練等給付や老人福祉施設入所措置費が大きいためだと考えられる。しかしこれらの経費は義務的経費であり、容易に削減することはできないので、高齢者に対する予防介護を重点的に行い、また高齢者向け住宅環境を整備することで、高齢者の独り立ちを促し、扶助費増に歯止めをかけていく。
その他に係る経常収支比率が類似団体平均を上回っているのは、繰出金の増加が主な要因である。下水道事業に対する繰出金が前年度比6,000千円の増、後期高齢者医療会計へは、9,000千円の増となっている。今後下水道事業については、平成27年度において事業が完了し、当初借入分の償還が徐々に終了していくので、公債費に対する一般会計からの繰出金は減少すると思われる。他に国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療保険については、今後益々高齢化が進んでいくと考えられ、繰出金についても増加する見込みである。したがって、医療費抑制のための施策、予防介護施策を通じて、健全な公営事業会計が運営できるよう努める。
補助費等に係る経常収支比率が類似団体より高いのは、一部事務組合に対する負担金が大きいためである。本町の補助費に占める組合負担金割合は、51.7%と類似団体より10.2%高く、特定財源がないため充当一般財源が増加している。第1期・第2期行財政再建計画により、単独優遇補助金は削減か廃止を行い、補助費の縮小を図ってきたが、今後は更に明確な基準を設けて、見直しも含めて経常経費の削減に努めたい。
大型公共事業に対する起債償還がなくなったことで、類似団体平均より7ポイント減少している。今後は現在の借入に対する据置期間がなくなり、元金返済分が年々増加してくると考えられるので、適正な起債管理を行いつつ、事業を展開していく。予想される事業として、平成27年度までは下水道事業、一般・高齢者向け住宅建設、木質バイオマスによるプール温水化、公共施設の老朽化に伴う改修工事などがあるので、慎重に借り入れを行っていく。
類似団体と比較して、14ポイントと大きく増加している。これは、上記のとおり、人件費、繰出金に対する充当一般財源が大きいためである。また平成19、平成20においては、大型公共事業のときに借り入れた起債償還における公債費充当一般財源が大きく、類似団体との差が少なかったものである。今後は、相対的に経常経費を抑え、全体での経常収支比率を85%以内に抑えるよう、目標をもって取り組んでいく。
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