地域において担っている役割
山鹿市民医療センターは、救急告示病院、災害拠点病院、感染症指定医療機関、県指定がん診療連携拠点病院として、医療圏における中核的病院としての役割を担いつつ、周辺の医療機関との連携を強化し、地域完結型医療の構築に努めている。
経営の健全性・効率性について
前々年度から引き続き、経常収支比率は100%を超えており、単年度黒字は継続しているものの、過年度における退職金の一括計上により大きな累積欠損金が生じていることから、継続して経営健全化に努め、経営基盤の強化を図っていく。平成30年度は常勤医師の退職により収益的に大きな影響を及ぼすこととなったが、施設基準等を積極的に整備し診療単価の向上に努めた。また、近年における診療の安全管理の面からディスポーザブル(使い捨て)材料の増加により、材料比率の増加となった。
老朽化の状況について
建物(病棟・外来棟)は平成23年度に改修を行っており、今後、大規模な改修の予定はないものの、建物の付帯設備や診療に使用している医療機器、電子カルテ等の各種システムが、順次、耐用年数を迎えている状況である。病院としての診療機能を維持すると共に、更に高度化する医療に対応するためにも、定期的な医療機器・システム等の更新が必要となることから、効率性・採算性を考慮しつつ、計画的に更新を行っていく。
全体総括
当センターは地域の中核病院として、地域住民へ良質な医療を安定的かつ継続に提供することが責務と考えるが、少子・高齢化の進展や全国的な医療費抑制策、医師偏在による勤務医不足に加え、来年からは消費増税など、依然として医療を取り巻く環境は厳しさを増している。今後、更なる経営基盤の強化を図るべく、改革プランのもと、公共性と経済性を両立させ、引き続き経営の健全化に努めるものである。