経営の健全性・効率性について
①平成27年度の収益的収支比率は平成26年度から4.08%改善したものの、依然として100%を下回っており、地方債償還金を含めると収入不足の状況となっている。④企業債残高対給水収益比率は類似団体平均値の112%であり、類似団体と比較して企業債残高の規模は大きい。⑤料金回収率は50%を下回っており、水道料金収入だけでは給水に係る費用の半分もまかなうことが出来ていない。不足する部分は一般会計からの繰入金等で補填している。⑥給水原価は類似団体平均値の182%となり、総費用と年間総有収水量が釣り合っていない状況にある。本市の簡易水道事業は、給水区域面積に対して給水人口が少ないため、総費用と比べて年間総有収水量が少ないという問題がある。⑦施設利用率は平成26年度から3.43%減少し、過去5年間で最低となった。給水量に対して施設能力が高すぎるという状況が続いているため、今後、施設のダウンサイジングの検討していく。⑧平成27年度の有収率は平成26年度から3.68%改善した。これは、継続して取り組んでいる漏水調査によって漏水箇所を特定し、修理を行ったため。
老朽化の状況について
③本市簡易水道事業においては、法定耐用年数を超えた管路がなく、一部漏水が多い管路や支障移転となった管路を除いて未だ管路更新は実施していない。そのため、平成27年度において管路更新率が0%となっている。耐用年数を迎えていないとはいえ、配水管の埋設箇所の環境により劣化が進行し、漏水が発生する事案が問題となっていることから、平成28年度末の上水道との経営統合後に順次更新を行っていく。
全体総括
現在、本市簡易水道事業は水道料金収益と一般会計からの繰入金等によって運営されている。H28年度末には本市上水道事業との経営統合を行い、統合後には減価償却費が発生することから費用はさらに増大することとなる。今後、簡易水道事業は施設の更新時期を迎えるため、施設の耐震化やダウンサイジングも考慮した効果的な施設更新を行っていく必要がある。また、会計統合後においても健全な経営を続ける為に、水道料金改定や一般会計繰入金の見直しなど、経営改善に向けた取組みを検討していく。