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平成21年度の法人市民税の大幅な減収により基準財政収入額が前年比28.3%の減となったため0.08ポイント低くなったが、類似団体平均を0.31ポイント上回っている。平成23年度末には市内大手企業主要部門が県外移転し、以降法人市民税が大幅に減少することになる。税の徴収強化、企業誘致等による歳入確保並びに投資的経費の抑制に取り組む。
市内大手企業の業績回復による法人市民税、普通交付税の増並びに臨時財政対策債の増により、経常一般財源が大きく増額となったため類似団体中1位となっている。企業の業績によりここ数年大きく比率が変動しているが、平成23年度に大手企業主要部門が県外移転したため、翌年度以降は法人市民税、普通交付税の減少し、経常収支比率が90.0%近くまで上昇すること見込まれる。今後も生活保護費等の扶助費や平成23年度に開館した市民交流センター等に係る物件費の上昇が見込まれるため、事務事業評価や外部評価等により優先度を厳しく点検していくなど、経常経費の抑制に努めていく。
職員給及び退職手当の減額により人件費は減少したが、情報システム機器の更新等があり前年比6,130円の増額となっている。類似団体平均に対しては15,999円下回ってはいるが、今後は市民交流センター等に係る物件費の上昇が見込まれるため、定員適正化計画に基づく人件費の削減や事務事業の検分、保育園の統合等によるコスト削減を図っていく。
以前から、計画的な定員管理により類似団体平均より少数となっており、行政改革集中改革プランの数値目標(定員純減-5.4%)及び新地方行革指針(総務省)の数値目標(定員純減-5.7%)に対し、定員純減12.0%を達成している。今後も定員適正化計画に基づき、新規採用については退職者と同数を採用することなく、職員数並びに人件費の抑制に努める。
大型事業発行債(保健休養施設、防災無線)の償還終了や新規発行債の抑制により、前年度から0.7ポイント改善され、類似団体平均を1.1ポイント下回った。今後は、減収補てん債や市民交流センター整備事業債の償還が始まり、平成24年度以降は保育園統合等大型事業計画や減収補てん債の発行も見込んでいるため、公債費の増加が懸念される。緊急度・住民ニーズを的確に把握した事業の選択を行い、起債に大きく頼ることのない財政運営に努める。
増収となった法人市民税、普通交付税等経常一般財源の積極的な基金積立により、充当可能財源が増額したため比率が改善されている。今後は大手企業の移転等がにより、大幅な税収の増加を見込むことができず、基金残高も減少していくことが想定されるため、将来負担比率は上昇していくことが見込まれる。新規投資的事業については十分に精査し、地方債発行の抑制を図るなど健全な財政運営に努めていく。
類似団体と比較して職員数が少なく、退職者も少なかったことにより、類似団体平均を6.6ポイント下回っており、前年度に比べ職員給与の改定等により2.2ポイント減少した。今後数年間は退職手当の支出が高い水準となることが見込まれるが、新たな定員適正化計画に基づき平成30年までに約11%の削減を目標に人件費の抑制に努める。
おおむね5年ごとに実施している情報システム機器更新等により、前年比で1.0ポイント上昇している。類似団体平均と比較すると1.9ポイント上回っている。改善策として指定管理などの民間委託も積極的に進めてはいるが、新たに指定管理を導入する市民交流センター等に係る物件費の上昇が見込まれる。今後も職員が高いコスト意識を持って、支出削減に努めていく。
子ども手当や小中学校就学奨励金等の増により、扶助費に係る経常経費は前年比28.7%増加となったが、充当一般財源も増加となったことにより扶助費に係る経常収支比率は減少している。今後は子育て支援対策、高齢者・社会福祉の対策、生活保護等にかかる経費の増額が見込まれるが資格審査の適正化等により上昇傾向に歯止めをかけるよう努める。
その他に係る経常収支比率は、特別会計への繰出金であるが、下水道事業会計や介護保険事業会計への繰出金の増加により年々上昇している。今後も各事業会計において、経費削減を図るとともに、受益者負担、独立採算の原則により負担金や税収の適正化を図るなど、一般会計の負担を軽減できるよう努める。
前年度に発生した法人市民税の還付金736百万円が減額となったことなどにより前年度に比べ0.2ポイント減少した。類似団体平均と比較して3.7ポイント上回っているが、ごみ処理業務、消防業務等を一部事務組で行っていることが要因として挙げられる。改善策として単独補助金の見直しや廃止も検討していかなければならない。
大型事業発行債(保健休養施設、防災無線)の償還終了等により、前年度に比べ1.6ポイント減少し、類似団体平均を7.3ポイント下回った。今後は減収補てん債、市民交流センター等償還金の増加が見込まれる。今後予定されている普通建設事業については、改めて協議を重ね、事業の抑制も検討していかざるを得ない状況である。
公債費以外の経常収支比率は、前年比で1.5%改善され、類似団体平均と比較しても4.3ポイント下回っている。平成24年度には市内大手企業の主要部門が移転することに伴い、以降は経常一般財源が減少する見通しであり、さらには社会保障経費等の増額が見込まれるため公債費以外の経常収支比率は上昇してくことが予測される。今後とも行財政改革を推進し、経費の削減と自主財源の確保に努めていく。
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