地域において担っている役割
平成20年4月から指定管理者制度(利用料金制)を導入し、学校法人金沢医科大学が指定管理者として管理運営を行い、地域医療の中核病院としての機能を担っている。氷見市は高齢化率が高いことから、へき地医療拠点病院としてへき地巡回診療等を行うとともに、回復期病棟を開設してリハビリテーション医療の充実を図り、地域の医療ニーズに即した医療を提供している。また、救急告示・病院群輪番制病院として二次救急医療を担い、地域の安全・安心に寄与している。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率は平成28年度に改善したものの平成29年度からは平成27年度と同水準で推移し、医業収支比率においても平成29年度まで下降傾向が続き平成30年度は前年度に比べてほぼ横ばいとなった。これは病床利用率が類似病院平均値を越えて高くなっているものの、手術件数の減少などにより入院、外来ともに1人1日当たり収益が下がり、医業収益の減少が続いていることによるものである。それに伴い、職員給与費対医業収益比率も上昇し、平成28年度までは類似病院平均値を下回っていたが、平成29年度から大幅に上がり、類似病院平均値を超えることとなった。今後は、紹介率の向上などにより医業収益を確保するとともに、効率的な人員配置や経費節減等により、収支の改善に努める。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、平成29年度において類似団体平均値を超え、器械備品減価償却率も平成27年度から類似団体平均値を上回っている状況にある。これは新病院建設から年数が経過したことによるものであり、これから設備及び医療機器の更新や修繕費の増加が見込まれることから、それらの経費の平準化を図るなど、計画的な整備に努める。
全体総括
少子高齢化や急速に進む人口減少、厳しさを増す医療環境などの社会環境の変化を踏まえ、安定した病院運営のもと地域医療が持続的に確保できるように、市と指定管理者の負担の見直し等を検討するとともに、医業収支の改善を目指して、地域への病院の取り組み等の周知を図るとともに、紹介率の向上や診療体制及び予防医療の充実を図る。指定管理者の強みを生かした高度医療を提供していくため、医療機能の向上を図るために必要な医療機器等について計画的な整備に努める。