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平成26年度の基準財政需要額は、包括算定経費(人口)の減や公害防止事業債の元利償還金の減があったものの、臨時財政対策債元利償還金の増による公債費の増や、高齢者保健福祉費、社会福祉費などの増があり、全体では微増となった。一方、基準財政収入額は、市町村民税法人税割の減などがあったものの、消費税率引上げに伴う地方消費税交付金の増や固定資産税の増などから、全体では基準財政需要額の増を上回る増となったことにより、財政力指数は単年度で1ポイント増の0.89、3か年平均で1ポイント増の0.88となり、類似団体平均を0.06ポイント上回る結果となった。今後も市税収入の確保など、基準財政収入額を伸ばすための取組を進め、財政力の強化を図っていく。
経常収支比率は96.1%、前年度比1.7ポイントの悪化となり、類似団体平均を5.0ポイント上回る結果となった。これは、分母である経常一般財源等は、普通交付税及び臨時財政対策債が減少となったものの、市税や地方消費税交付金をはじめとする税連動交付金が増加したことから、前年度比2億8,700万円、0.7%増となった一方で、分子である経常経費充当一般財源等は、退職金の増加による人件費の増や、扶助費や公債費といった義務的経費の増に加えて、サービスの拡大に伴う物件費の増や社会保障経費に当たる繰出金の増などがあり、合計で前年度比9億6,100万円の増となったことによるもののである。引き続き、第4次行財政改革大綱に基づき、歳入面では、市税などの自主財源の増収を図り、歳出面では、義務的経費の圧縮に加え、サービスの見直しや公共施設の適正配置・有効活用の取組を進めることなどで物件費の圧縮を図り、経常収支比率の改善に努める。
人口1人当たりの人件費・物件費等決算額は103,071円となり、類似団体平均を8,332円下回る結果となったが、本市においては1,787円の増となった。人件費については、職員給が定員適正化の取組により年々減少しているが、物件費については民間委託の推進やサービス量の増大などの影響により増加している。このことを踏まえ、2庁舎体制の解消を含めた公共施設の適正配置・有効活用の取組を進め、経費の圧縮を図る。
これまで東京都人事委員会勧告を踏まえた給与制度の見直しを実施してきた結果、ラスパイレス指数は98.5、前年度比1.0ポイントの減となり、類似団体平均を1.4ポイント下回る結果となった。今後も東京都や他自治体の動向を踏まえ、給与の適正化に努める。
平成26年度の人口千人当たりの職員数は4.64人。前年度比0.03人の減となり、類似団体平均を1.43人下回る結果となった。平成13年の合併に伴い人員削減を図った結果、平成13年度以降、合併当初の削減指針を上回る300人以上の削減を行っているが、今後も第4次定員適正化計画に基づき、平成30年度目標(平成31年4月1日時点)の職員定数997人を目指して、効率的な行政運営を目指す。
実質公債費比率は0.1%、前年度比0.3ポイントの減となり、類似団体平均を5.1ポイント下回る結果となった。これは、分子において、公営企業に要する経費の財源とする地方債償還の財源に充てた繰入金及び一部事務組合等が起こした地方債に充てた負担金が減少したことにより、一般会計等が負担する元利償還金等が減少したことに対して、そこから控除する特定財源等が増加したことにより、平成26年度の単年度数値が-0.3となったためで、前年度算定で使用した平成23年度数値より0.9ポイント下がったためである。元利償還金は、平成26年度をピークに減少すると見込まれるが、今後も後年度負担を十分考慮した地方債の借入に努めていく。
将来負担比率は19.4%、前年度比0.5ポイント減となり、類似団体平均を11.1ポイント下回る結果となった。これは、基準財政収入額の増や合併算定替の縮減率の影響による普通交付税額の減などに伴う標準財政規模の減、一部事務組合が起こした地方債の償還が進んでいることなどによる算入公債費の減等により、分母が対前年比2億6,193万2千円・0.8%減となったものの、一般会計・公営企業・一部事務組合ともに地方債の償還が進んでいることなどによる将来負担額の減、基金残高の減少による充当可能財源の減により、分子が対前年比2億798万2千円・3.2%減となり、分子が分母の減少率を上回ったためである。前年度と比較してポイントは減少したものの、充当可能基金が減少しているなど、注視すべき点もあることから、今後も第4次行財政改革大綱に基づく評価指標に留意し、財政の健全化を図っていく。
人件費の経常収支比率は24.5%、前年度比0.1ポイントの増となり、類似団体平均を0.9ポイント下回る結果となった。これは、定員適正化の取組により職員給は減少傾向にあるものの、前年度に比べ退職者数が多かったことによる退職金の増が主な要因である。今後も人件費のうち大きな割合を占めている職員給については、第4次定員適正化計画に基づく定員適正化に取り組み、経費の削減に努める。
物件費の経常収支比率は20.1%、前年度比0.6ポイントの増となり、類似団体平均を3.9ポイント上回る結果となった。これは、施設の解体工事や、行革の取組による資源収集や保育園運営における民間委託の推進などにより、合併以来過去最高となっている。また、合併市である本市の特徴として、施設数が多いことで維持管理経費が増加し、物件費の増加にもつながっていることから、引き続き公共施設の適正配置・有効活用の取組を進めることなどで、これらの維持管理経費の抑制に努める。
扶助費の経常収支比率は12.1%、前年度比0.3ポイントの増となり、類似団体平均を0.5ポイント下回る結果となった。これは、扶助費のうち大きな割合を占めている生活保護費の伸びは鈍化したものの引き続き増となったことに加え、待機児童対策やサービス利用量の増加に伴い保育園関係や障害者関係が引き続き増となったことが要因となっている。今後も待機児童対策に伴う施設数の増や、障害者数の伸びとサービス利用量の増が見込まれていることから、扶助費全体として増加する傾向が続くものと考えられる。
その他の経常収支比率は11.2%、前年度比0.5ポイントの増となり、類似団体平均を2.2ポイント下回る結果となった。11.2%のうち10.7%と大きな割合を占める繰出金は、介護保険特別会計や後期高齢者医療特別会計への繰出金の増を主な要因として増加傾向にある。また、経常収支比率の算定には含まれない国民健康保険特別会計などに対する財源補てん的な繰出金も多額であることから、これらも加味した「実質経常収支比率」を第4次行財政改革大綱の評価指標の一つとして設定し、引き続き特別会計の健全化に取り組む。
補助費等の経常収支比率は10.7%、前年度比0.1ポイントの減となり、類似団体平均を2.3ポイント上回る結果となった。これは、幼稚園就園奨励費補助金や消防事務に係る東京都への負担金が増となったものの、ごみ・し尿処理などに係る一部事務組合への負担金が減となったことが主な要因となっている。補助費等の経常収支比率は減少傾向にあるが、引き続き第4次行財政改革大綱に基づき、財政支援団体への財政支出の見直しなどに取り組む。
公債費の経常収支比率は17.5%、前年度比0.3ポイントの増となり、類似団体平均を2.4ポイント上回る結果となった。これは、臨時財政対策債の償還金が増となったことが主な要因となっている。公債費は、平成26年度をピークに減少傾向にあるが、平成28年度には一時的に増加するものの、その後は、合併特例債の償還額が大幅に減少することから、再び減少していくものと見込んでいる。今後とも後年度負担を十分考慮した地方債の借入に努めることにより、公債費の抑制を図る。
公債費以外の経常収支比率は78.6%、前年度比1.4ポイントの増となり、類似団体平均を2.6ポイント上回る結果となった。このうち補助費等は減少傾向にある一方で、扶助費、物件費、繰出金の経常収支比率は、引き続き増加していくことが見込まれる。今後も第4次行財政改革大綱の評価指標の一つとして経常収支比率を設定し、市民サービスの維持・向上と持続可能で自立的な行財政運営の確立を目指して、行財政改革に取り組む。
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