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基準財政需要額は生活保護世帯や高齢者世帯の増加などにより、社会福祉費が増大していることから、年々上昇傾向にある。また、基準財政収入額もリーマンショックなどの影響により国内景気が悪化し、市税が減少していたが、近年は、政府の経済対策や金融政策等の影響により、増加傾向にある。今後は、景気の回復傾向が続き、市税収入の増加も期待されるが、法人市民税においては、一部国税化や法人実効税率の引下げの影響などから減収が見込まれるなど先行きは不透明である。一方で、社会福祉費の増加は引き続き見込まれることから、厳しい財政状況が続くことが予想される。今後も歳入では収納率の向上など自主財源の確保に努めるとともに、歳出では行政運営の効率化に努め、財政力の強化を図っていく。
扶助費や繰出金などの社会保障経費の増や消費税率引上げの影響などにより、分子となる経常経費充当一般財源は、増加したものの、景気回復傾向に伴う市税の増や消費税交付金の増などにより、分母となる経常一般財源の増加が上回ったことにより、0.2ポイント改善することができた。今後も多様化・高度化する市民ニーズや新たな行政需要などに的確に対応するため、府中市行財政改革推進プランに基づき、公益性の重視や効率化の徹底による歳出の適正化を図るとともに、事業実施のための財源確保に努めながら、経常収支比率の80%台維持を目標に健全な財政運営を推進していく。
類似団体や東京都内自治体との比較では、昨年度に引き続きともに平均を下回っている状況である。これは、府中市行財政改革推進プランに基づき、職員数の適正化や事務事業の見直しを徹底してきた結果といえる。今後も行政サービスの水準を維持するとともに、多様化する市民ニーズに対応し、人件費の抑制及び物件費等の低減に努めていく。
これまで職務給化のほか、国や東京都に準じた給与構造改革等を実施してきている中、平成27年度からは総合的見直しとして国や東京都の改定率を上回る給料表の改定を実施したことから、指数が大幅に低下した。今後も引き続き給与の適正化に努めていく。
これまでの定員適正化の取組により、類似団体平均や東京都平均と比較し少ない職員数を維持してきている。今後も事務事業の増加や市民ニーズの多様化・複雑化が進む中で、安定的な市民サービスの提供を実現していくための人材・人員体制の確保を前提としつつ、民間活力の導入状況等も勘案しながら引き続き適正な定員管理に努めていく。
実質公債費比率については、算定の際に分子となる、一部事務組合等の借入金返済に充当したと認められる負担金や公債費に準ずる債務負担行為に係る経費が減少したことで、単年度の比率が3.5ポイント、3ケ年平均では1.7ポイントの改善となった。今後も目標としている実質公債費比率10%以下を遵守できるよう、計画的な市債の借入れを行いながら、健全財政の維持に努めてく。
標準財政規模に対する一部事務組合や第3セクターなどを含む市が将来負担すべき実質的な負債の大きさの割合は、負担すべき実質的な負債はあるが、それ以上に基金や返済に充てる歳入が見込まれることから、計算上、将来負担見込額がないため比率は算定されない。今後とも、後年度への負担を少しでも軽減するよう財政の健全化に努めてく。
人件費については、早い段階から組織改正など組織・機構の見直しや、事務事業、施設管理の見直しによる委託化などを実施し、職員数の適正化を図ってきた。そのため、類似団体と比較して人件費に係る経常収支比率は低い水準を維持している。今後も行財政改革推進プランに基づき、公立保育所の民営化や粗大ごみ収集運搬の委託化など、民間にできることは民間に委ね、民間活力の積極的な活用を図るとともに、各種事務事業の質と量に応じた適正な定員管理や職務給化を推進し、現在の水準を維持していく。
類似団体と比較すると、物件費に係る経常収支比率が高くなっているが、これは施設管理運営など業務の民間委託を推進していることによるもので、人件費との比率の対照でその傾向が表れている。引き続き、府中市行財政改革推進プランに基づき、指定管理者制度や外部委託、PFI制度の活用について導入効果の検証を行い、その活用により市民サービスの向上、コスト削減を図っていく。また、今後は、公共施設の最適化による、施設の統廃合などを含めた検討を行い、施設管理コストの削減に努めていく。
近年、扶助費は、増加傾向にあり、平成26年度においては前年度より約16億円の増となり、扶助費に係る経常収支比率は前年度から0・8ポイント悪化し、類似団体との比較においても高い数値となっている。今後も扶助費については、増加傾向が続く見通しであるものの、生活保護費等の扶助費の抑制策として、就労支援や子どもの学習支援事業などを実施し、生活保護者の自立を促す取組みを継続していく必要がある。その他、市独自で給付を行っている単独事業についても、所得制限を行うなど適正化を進めていく。
その他に係る経常収支比率は、年々増加傾向にある。主な要因としては、他会計への繰出金であるが、特に国民健康保険事業会計に対する、赤字補てん的な繰出金が多くなっていることが挙げられる。また、介護保険特別会計への繰出しについても、介護給付費の増加に伴い増加傾向である。今後、受益者負担の観点から給付費に見合った保険料の見直しを検討するなど、財政の健全化に努めていく。
清掃事業の一部事務組合への負担金が大幅な減額となったことにより、経常収支比率は1前年より0.3ポイント改善となったが、依然として類似団体との比較では、高い水準のままである。これらの負担金は、施設整備の状況で年度ごとに増減があるが、ごみ収集方式の見直しによるごみ減量効果を維持することにより、負担金の削減に繋げていく。また、個人や団体への補助金については、内部の審査機関である補助金審査委員会において適正化に努めていく。
府中市行財政改革推進プランにおいて、公債費比率8%以下を維持することを目標として掲げていることから、類似団体平均と比較して低い水準を維持し、類似団体平均を7.1ポイント下回っている。引き続き、公債費抑制のため、市債の借入れにあたっては、大規模な投資的事業の実施時期以外は、償還額を借入額が上回らないよう計画的な借入を行い、公債費比率8%以下を維持していく。
類似団体平均より1.6ポイント高い水準となっている。扶助費や繰出金などの社会保障経費の抑制を図るとともに、経常的な物件費の抑制に取組むなど、健全財政の維持に努めていく。
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