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市の歳入構造が市税中心であり、安定した収入に支えられていることから、昭和52年度以降「1」以上で推移している。近年の傾向として、リーマンショック後の市税収入を反映して基準財政収入額が伸び悩む一方で、基準財政需要額から控除されている臨時財政対策債発行可能額が平成23~25年度にかけて段階的に減少したことなどにより、平成22年度以降下降傾向となっている。平成26年度の単年度指数は一部法人の業績回復などにより一定程度回復したが、今後は、法人市民税の一部国税化の影響などから先行きが不透明であるため、引き続き安定的な財政構造の維持に努める。
市税収入が低迷する一方、扶助費が増加する中で、行財政改革の推進により、80%台を維持していたが、平成23年度は地方議会議員年金制度の廃止に伴う議員共済会負担金の増などから92.1%、平成24年度は私立保育園運営事業費や障がい者(児)の自立支援給付費の増などから93.4%、平成25年度は環境センターの停止に伴う経常経費の減などから前年度比1.5ポイント減の91.9%であった。平成26年度は、待機児童の解消に向けた運営拡充などにより私立保育園運営事業費が増となったほか、一部法人の業績回復などによる市税収入の増などを反映して、86.4%(前年度比5.5ポイント減)となった。今後も「第4次三鷹市基本計画(第1次改定)」で定めている「概ね80%台を維持(特殊要因による場合にあっても90%台前半に抑制)」に努める。
人件費は、東京都人事委員会勧告に準じた給料月額等の支給率の増があったものの、学校給食調理業務等の委託化による職員定数の見直しとともに、職員の扶養手当、退職手当等の見直しなどにより、平成26年度も減となった。一方、物件費等は、予算編成においてマイナスシーリングを実施するとともに、平成22年度から「事務事業総点検運動」、23年度から「公共施設総点検運動」により削減を図ってきた。平成26年度は事務事業総点検運動を発展的に継承した「対話による創造的事業改善」の取り組みを進めたものの、社会保障・税番号制度や子ども・子育て支援新制度の施行に伴うシステム開発等により、前年度比で増となった。引き続き、職員給与の適正化や経常経費の削減を通して、人件費・物件費等の更なる抑制に努める。
平成27年4月1日現在のラスパイレス指数は、「99.2」である。職務の困難度や責任の度合いに応じた給与制度を平成12年度から導入して以降、ラスパイレス指数は7.3ポイント低下している。制度の導入以降も、国における給与構造改革への対応も含めて給与の適正化に継続的に取り組んできた。今後も、地方分権時代にふさわしい給与制度の確立に向けて見直しを行っていく。
平成7年度以降、国や他団体に先んじて定員管理の適正化に取り組み、その後も、「三鷹市行財政改革アクションプラン2022」(平成24年3月策定)に基づき、更なる職員定数の見直しに取り組んだ。その結果、取組前の職員数1,334人(平成7年4月)が、958人(平成27年4月)となり、28.2%削減された(公益的法人等派遣職員を除く。)。この削減率は、当該期間における全国の市町村平均の約1.4倍の数値となっている。今後も、事務事業の見直し、業務の委託化、再任用化などを図るとともに、新規事業や国及び東京都からの権限移譲に適切に対応し、職員定数を適切に管理することで、市民サービス、「組織力」の維持・向上を図っていく。
市債発行額の抑制や低金利債への借換え、高金利債の繰り上げ償還などを実施し、後年度負担の抑制に努めていることにより、類似団体平均を下回っている。平成26年度は、標準税収入額等の増を反映して標準財政規模が増となるとともに、一般会計等の地方債の償還が進んだことなどにより元利償還金が減となったことから、前年度と比べて0.4ポイント改善した。今後もバランスに配慮した市債の発行を図り、「第4次三鷹市基本計画(第1次改定)で目標としている、「概ね6%を超えないこと」の達成に努める。
三鷹市土地開発公社の借入金に係る繰上償還や先行取得した公共用地の買戻しが進んだほか、基金残高の増加に伴い、充当可能財源等が増となったため、前年度比11.3ポイントの大幅な減となった。今後も健全な財政運営に努める。
三鷹市では、以前から職員数を低く抑えてきたが、平成7年度以降、行財政改革に取り組み、職員定数の見直しを継続的に実施してきた。平成12年度以降は、給料や諸手当の全般にわたって見直しを図り、給与水準の適正化に努めているところである。平成26年度においては、給与改定による増があるものの、業務の委託化などによる職員定数等の見直しによる職員数の減、手当の適正化、退職手当の支給率の見直しを図ったことにより、人件費に係る経常収支比率が減となった。今後とも、職員定数と給与水準の両面の見直しを検討・実施し、人件費の適正化に努める。
公立保育園の民営化や学校給食調理業務の民間委託化をはじめとする事業の民営化・委託化を推進していることから、人件費に係る経常収支比率が低い一方で、物件費に係る経常収支比率が高くなっている。平成26年度は、北野ハピネスセンター成人部門の民間委託化や水痘ワクチンの法定接種化等により増となったが、市税収入等の増などを反映し、前年度と比べて0.4ポイントの減となった。今後も引き続き、「新・三鷹市行財政改革アクションプラン2022」に基づき、民営化・委託化の一層の推進を図るとともに、経常経費の削減に取り組む。
昨今の社会・経済状況を反映した生活保護費の増、障がい福祉サービス利用者の伸びを反映した自立支援給付費の増、待機児童の解消として積極的に進めている保育園の増設などにより、扶助費に係る経常収支比率は年々上昇傾向にある。平成26年度は、昨年度に引き続き生活保護費が微減となる一方、待機児童の解消に向けた取り組みの推進などにより扶助費に係る経常経費充当一般財源等は増となったが、市税収入等の増などを反映し、前年度と同ポイントで推移した。
その他における経常収支比率の大部分は特別会計への繰出金となっている。長寿化の進展などによる介護保険給付費に係る繰出金や後期高齢者医療制度への負担金の増などにより、近年は比率が増加傾向にある。平成26年度は、これに加え、保険税軽減措置の拡充などにより国民健康保険事業に係る繰出金が増となっているが、市税収入等の増などを反映し、前年度と比べて0.3ポイント減少している。
類似団体や東京都平均と比べて補助費等に係る経常収支比率が高いのは、コミュニティ・センターにおける施設運営等を住民協議会が行うなど、市民・NPO・事業者等との協働を推進しているためである。平成26年度は、ふじみ衛生組合負担金が可燃ごみ処理施設の売電収入によって減となる一方、国の制度改正に伴う幼稚園就園奨励費補助金の補助単価の引上げ等により、補助費等としては増となったものの、市税収入等の増などを反映し、前年度比1.0ポイントの減となった。引き続き、各種補助制度の見直しに取り組むことにより、一層の適正化に努める。
これまで低金利債への借換えや高金利債の繰上償還などに取り組んできたことから、公債費に係る経常収支比率は、類似団体内平均値を下回っている。平成26年度は、公債費の減少傾向を反映して前年度比1.4ポイントの減となった。引き続き、公債費は減少傾向にあることから、三鷹中央防災公園・元気創造プラザ整備事業などの「都市再生」に向けた取り組みなどに一定の市債の活用を図ることとしているが、今後も計画的かつ適正な活用により、後年度負担の軽減に努める。
従来取り組んできた「事務事業総点検運動」を発展的に継承した「対話による創造的事業改善」により経常的な業務の見直しを行っているところである。平成26年度は、そうした恒常的な取り組みに加え、市税収入等の増に伴う経常経費充当一般財源等の大幅な増などにより、前年度と比べて4.1ポイント減少した。今後も経常的な業務の見直しや民間委託化など、徹底した行財政改革を推進し、各費目の歳出削減に努める。
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