地域において担っている役割
当院は、地域災害拠点病院及び原子力災害拠点病院として指定を受け、相双医療圏の中核病院として二次救急医療を担っている。また、地域内の医療機関で受け入れができない透析患者への対応のため、平成30年3月から透析医療の提供を開始している。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率、医業収支比率ともに対前年度比で5ポイント程度改善したが、類似病院平均を下回る状況が続いており、引き続き、経営健全化に向けた各種取組みを進めていく必要がある。平成23年度以降、原子力災害による住民避難や稼働病床数の制限等が影響し、病床利用率は大きく低下したが、その後は徐々に改善し平成30年度には70%台まで回復した。職員給与費対医業収益比率は、医師数の減少等が影響し、対前年度比で5.8ポイント改善し58.2%となり、類似病院平均を下回った。
老朽化の状況について
平成28年度の脳卒中センター建設に伴い、有形固定資産減価償却率は低下し、また、1床当たりの有形固定資産は増加した。当院本館も築25年以上経過し老朽化が進んでおり、近年大規模改修工事を行う予定であることから、今後、1床当たりの有形固定資産はさらに増加する見込みである。
全体総括
脳卒中センター建設に伴い、設備と人員に投資を行ってきており、特に初期研修医と看護師については将来確実に不足すると考えられる地域医療資源で、積極的な採用活動と定着に向けた取組みを行ってきた。今後は先行投資された資源を有効に活用し市民に還元する活動に注力する。また、平成30年度に病床再編計画を策定し、今後230床から300床へ増床する見込みであることから、本館の老朽化対策も含め、計画的に設備投資を行っていく必要がある。