地域において担っている役割
福岡市における医療施策として求められている救急医療,高度専門医療等を提供すること等により,市内の医療水準の向上を図り,もって市民の健康の維持及び増進に寄与する。
経営の健全性・効率性について
健全性について,福岡市民病院においては,救急専門医の増員など救急医療体制の更なる充実や,手術に係る受け入れ体制の見直し等に取り組んだ結果,高額な手術件数が増加するとともに,入院診療単価が前年度及び目標値を大幅に上回り,類似団体よりも高い水準で推移している。効率性について,患者1人1日当たり収益は,入院外来共,類似団体と比較して高い水準を示している。また,材料費対医業収支比率については,外部コンサルタントを活用した調達に係る価格交渉の徹底を図ったが,類似団体よりも高い水準で推移している。
老朽化の状況について
平成元年4月竣工から30年余が経過し,減価償却も進んだことから,有形固定資産減価償却率については,類似団体と同様に高率で推移している。また,器械備品減価償却率についても同様である。なお,1床当たりの有形固定資産については,類似団体の平均値よりも低率で推移している。
全体総括
経営の健全性・効率性を表す指標は,類似団体と比較すると概ね良好に推移しており,現在の経営の状況は健全であるといえる。今後の課題としては,福岡市民病院においては,地域医療構想及び医療計画において求められる高度専門医療並びに救急医療体制を提供するために必要な取組を継続して行うとともに,災害・新型インフルエンザ等発生時やその他の緊急時には,事業継続計画(BCP)に基づき,福岡市及び関係機関との連携の下,市立病院として求められる役割を果たす必要がある。