地域において担っている役割
救急告示病院・災害拠点病院・病院群輪番制病院等の指定を受けており、伊賀地域における災害時医療、二次救急医療の一端を担っているほか、地域医療支援病院として開業医と密に連携し、地域医療を支えている。
経営の健全性・効率性について
医師確保が一定の成果を挙げたことや閉鎖病棟を再稼動したことなどから平成26年度には33.6%だった病床利用率が平成28年度には68.1%まで回復し、そのことに伴って医業収支も改善傾向にある。しかしながら入院患者一人あたりの収益が平均値を大きく下回っていることから、これを改善する必要がある。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率と機械備品減価償却率のいずれもが平成28年度時点で平均値を上回っており、特に有形固定資産減価償却率においてその傾向が顕著である。機械備品については減価償却のサイクルが早く、また高額機器の更新時期が近付いていることからこの傾向は早晩解消されると思われるが、有形固定資産全体で見ると建物の減価償却が相当に進んでおり、しばらくはこの傾向が続くと見込まれる。
全体総括
医師不足からの病棟閉鎖に伴い病床利用率が低調であり、そのことから長らく厳しい経営状況が続いていたが、医師不足が一部解消したことから病棟を再稼動し、経営指標はいずれも改善傾向にある。しかしながら入院患者一人当たりの単価の低さや医業収益に占める材料費の比率等については平均値に至っておらず、改善の必要がある。また、施設の老朽化は特に機械備品以外の部分において顕著であり、遅からず大規模改修等を行う必要が生じると見込まれる。