地域において担っている役割
・市内唯一の高度急性期及び急性期病床を有する病院として急性期医療を担います。・24時間365日の第2次救急医療の実施及び市内で不足している初期救急の支援を行います。・災害時は災害医療救護活動拠点施設機能を発揮し、地域の災害医療体制を構築します。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率は、類似団体平均に比べると非常に高い数値にあり、指定管理者側の決算では100%を超えています。また、累積欠損金比率についても低い数値で推移しており、経営状況は比較的健全であるといえます。今後は、地域医療支援病院の指定を受けることで収益を増加させ、一般会計からの適切な負担を確保することで経営の安定化を図ってまいります。経常収支比率の上昇は、平成27年度実施の病院解体工事が完了したことによる経常費用の減によるものです。医業収支比率は、指定管理者側の決算では92.1%となっており医業活動による経営は健全であります。また、病床利用率についても経営形態見直しの基準となる70%未満を超えており、効率的な経営がされています。外来患者1人1日当たり収益は、類似団体平均を下回っています。これは、疾患の安定期に入っても引き続き受診する方が多いことから外来単価が低くなっているためです。今後は、地域の開業医との連携を図ることで本来の役割である急性期患者の受け入れに特化することにより単価の上昇を図ります。職員給与費対医業収益比率については、医師不足により単価の高い非常勤医師や派遣医師を雇用していること、現在10:1の看護配置であるが7:1を目指し看護師の雇用をしていることにより類似団体平均より高い数値となっています。今後は、常勤医師の確保に努め非常勤や派遣医師の給与について見直しを行ってまいります。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、新病院建設から5年しか経過しておらず低い数値となっています。今後は修繕を通じ適切な施設管理を実施していきます。機械備品減価償却率は高い数値となっているものの、医療機器については指定管理者により新規に購入もしくはリースが実施されていることから老朽化の状況はそれほど高くないと考えます。また、今後の整備については指定管理者と協議し適切な管理を行ってまいります。1床当たりの有形固定資産金額は、類似団体平均と比べ低く、今後も引き続き適切な投資を図ってまいります。
全体総括
経営状況について類似団体と比較すると、経常収支比率及び医業収支比率は平均値より高く、また累積欠損金比率も非常に低い数値となっており、経営の健全性は高いといえます。一方で、「収益の効率性」に関する指標である外来患者1人1日当たり収益は平均値より低く、また「費用の効率性」に関する指標である職員給与費対医業収益比率は平均値より高くなっています。今後、超高齢化社会を迎え高度医療及び急性期医療を担う地域の中核病院として経営を存続していくため、地域の開業医との病診連携を通じ機能分化を進めることで収益の効率化を図り、さらに医師の負担軽減による常勤医師の確保につなげ費用の効率化を図ることで、更なる経営指標の改善を行ってまいります。