地域において担っている役割
氷見市民病院は、平成20年4月1日から公設民営化(指定管理者制度)の金沢医科大学氷見市民病院として、学校法人金沢医科大学により管理運営されている。金沢医科大学氷見市民病院は、市民の健康と生命を守る病院として、「患者さん中心の安全で質の高い医療を提供すること」を最大の役割とし、従前の市民病院の機能に加え、大学病院の機能を備えた地域の中核病院となるよう医療体制の整備に努めている。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率及び医業収支比率は、類似団体平均値に並ぶ水準を維持している。病床利用率は、類似団体平均値を大きく上回って推移しているが、入院患者1人1日当たり収益は、平成28年度に限り、類似団体平均値を下回った。これは診療報酬が高い手術部門等において、その件数が減となったことにより収益が減となったことによる。外来患者1人1日当たり収益については良好に推移している。累積欠損金比率は類似団体平均値を上回っているものの、収益を確保するため、今後も中期事業計画のもと適切に設備整備・調達を行うことにより、欠損金の解消に努める。職員給与費対医業収益比率は類似団体平均値より下回っているものの、材料費については類似団体平均値より上回っていることから、材料費を含む変動費に係る経費については、適切な調達及び在庫等の管理に努める必要がある。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、平成28年度において、ほぼ類似団体平均値の水準となり、機械備品は、近年、類似団体平均値の水準を上回っている状況である。今後、設備の更新や修繕費が増えることが予想されるため、医療機器を含む機械備品の整備についても適切な整備計画を立て、円滑な運営に努める。
全体総括
急速に進歩していく医療技術及び高齢者人口の増加や疾病構造の変化に伴う医療需要の多様化に対応するために、先進医療機器の導入や更新、充実に努めているところである。医療機器等の整備に当たっては、引き続き、その導入効果等の分析、検証を行うとともに、適切な導入方法等について十分精査し、経費節減に努める。地域医療を取り巻く状況は依然として厳しいが、市民の求める地域医療の充実を推進し、市民病院が地域医療の基幹的施設としての役割を果たすことができるよう、指定管理者である学校法人金沢医科大学と連携しながら、より一層の医療水準の向上と総合的なサービスの提供に努める。